「自分から勉強する子どもになってくれたら」「朝は自分で起きてほしい」――。自分からやる気を出して取り組む子どもになってほしい、それは多くの親に共通する思いです。けれど、そんな親の思いを知らず、なかなか動いてくれない子ども。つい、子どもをせかしてしまったり、がっかりした気持ちになったり、というママも多いのではないでしょうか。第5回を迎えたひろっしゅコーチの子育て講座、テーマは「子どものやる気スイッチ」です。(エコマム編集部)

 こんにちは。ひろっしゅコーチこと山崎洋実(やまさきひろみ)です。

 ♪やる気スイッチ、君のはどこにあるんだろう? 某社のCMを見て、我が子の「やる気スイッチ」を探したことのある人も多いのではないでしょうか。

 勉強やスポーツ、習い事の練習、お手伝いに部屋の片付け。やらなければならないこと、やって欲しいことはたくさんあるのにいつまでも手を付けずにいる我が子を見ると、ついつい「早くしなさい!」なんて文句の一つも言いたくなるものですよね。

やる気スイッチを押せるのは自分だけ

「うちの子、いつもダラダラしてばかりで……」
「宿題もしないで遊んでばかりなんです」
「そもそも、うちの子にはやる気スイッチなんてないのかもしれません……」
そんな声も聴こえてくるようです。

 でも大丈夫。どんな子どもも必ず、やる気スイッチを持っています。

 ただし、そのスイッチを押せるのは、自分だけ。

 お母さんや周りの大人が「押してあげたい!」とどんなに強く思っても、本人の代わりに押してあげることはできません。

 その子のやる気スイッチは、その子本人にしか押せないのです。

 子どもが自分でやる気スイッチを押すときは必ず来ます。

 それはその子自身が「あんな風になりたいな」と夢や目標を持ったとき。そして「このままだとマズいぞ」と危機感を持ったときです。そうなってはじめて人は「よし、やるぞ!」と思うもの。「やる気を出しなさい!」と怒られてやる気が出る人はいないのです。

 親としては「早くやる気を出せばいいのに…」とやきもきすることもありますが、残念ながらたとえ我が子でも他人の感情をコントロールすることはできません。

「自分で決めた」と感じたい

 今日は予定もないし、久しぶりにしっかり掃除をしなくちゃ。

 そんな風に思っていたのに、ご主人から「最近、掃除さぼってるよね?ちゃんとやってよ」と言われてイライラ……。もう今日はやる気がなくなった!掃除なんてするもんか!!皆さんにはこんな経験、ありませんか?

 私たち人間は、どんな小さなことでも「自分で決めた」「自分で選んだ」と感じたい生き物です。誰かに命令されたことよりも、自分で決めて自分で動き始めたことのほうが興味や意欲が長続きします。それは子どもでも同じこと。みんな、自分なりのタイミングで動きたいのです。これを専門用語で「自己決定感」と言います。

 どうしてもやる気を出してほしいことがあるときは、子ども自身にタイミングを決めさせてみるのも一つの方法です。

 「早く宿題をやりなさい!」と頭ごなしに命令するのではなく、「7時から夕ご飯にするからね。宿題は何時からはじめる?」と声をかけてみるのです。そして子どもが計画を立てたら、それをできる限り尊重してあげましょう。子どもが決めた時間になるまでは、テレビやマンガを見ていてもゴロゴロしていても文句は言わないこと。「ダラダラしているくらいなら、先に宿題をやってしまえばいいのに」と思うかもしれませんが、それはあなたのタイミングであって子どものタイミングではないのです。

「自分はできる」と感じたい

 人間はまた、自分が有能であると感じたい生き物でもあります。自分はやればできる。自分は特別な何かを持っている。そう自分のことを信じたいのです。専門用語では「有能感」と言います。

 私たち親にできることは、「あなたならできる」「どんなことがあっても、あなたなら大丈夫」と伝え続けること。無条件で自分のことを信じ受け入れてくれる存在が、人を強くするのです。親が子どもを信じることで、子どもも自分自身を信じられるようになります。

 「私はかけがえのない大切な存在だ」という自己肯定感が、「私ならどんなことでもできる」という自信につながります。私はこれを「ハッピーな勘違い」と名付けています。そう、根拠がなくても勘違いでもいいのです。「自分はできる」と信じていれば、チャレンジすることを恐れなくなるのです。

「頑張った」と認めてほしい

 そしてまた、人間は自分の努力や成長を誰かに認めてほしい生き物でもあります。専門用語で「承認欲求」と言いますが、「他者から認められたい、尊敬されたい」という感情は、誰にでもある自然な感情です。成功を褒めてもらいたいのはもちろんのこと、例え失敗しても「この点は前回よりも良くなったね」と成長を認めてもらうことで、次もまたチャレンジする意欲がわいてきます。

 失敗しようと決めて失敗する人はいません。「なんで?どうして?」と失敗の理由を追及するのは意味のないこと。

 「なんでこんなこともできないの?」というマイナスの指摘ではなく、「こんなこともできるようになったね」というプラスの声かけを意識してみるといいですね。成功したときに、「なんでうまくできたの?」とポジティブな形で問いかけてみるのもオススメです。

やる気スイッチを入れやすい子を育てる

 自己決定感と有能感、そして他者からの承認。やる気スイッチを入れるには、この3つがとても重要な要素です。

 自分で決めたことを自分でやり遂げる経験、そしてその中にある成長や努力を他者に認めてもらう経験。それを繰り返すことで、子どもたちは「やる気スイッチ」を育てていくのです。

 私たち親ができることは、子どもがスイッチをいれやすい環境を整えてあげることだけ。子どもが「自分はやればできるんだ」と思えるような体験をいくつさせてあげられるか。そこが私たち親の腕の見せ所なんだと思います。

 あなたのお子さんのやる気スイッチも、ほら、そこにありますよ!

山崎洋実
山崎洋実
1971年静岡生まれ。
旅行代理店、大手英会話学校勤務時代を通して接客&人材育成の楽しさを知る。結婚退職後コーチングに出会い、これまでやってきた事がコーチングだったことを知り体系的に学ぶ。その後妊娠出産、3年間の専業主婦生活を経て、身近なママ友達向けに講座をスタートした。
ママの特徴に合わせ、豊富な事例を用いて体系的に伝える講座が、ママ達の間で『目からウロコ』で『子育てが楽しくなる』 『参加しただけで元気になれる』と評判に。クチコミとリピーターで活動が広がり、瞬く間に首都圏から関東、全国へと飛び火。
日本で唯一の“ママ達の元気と輝きを引き出すコーチング講師”として、多くのママから「ひろっしゅコーチ」という愛称で慕われている。
ママ友トラブルやママカーストなどの事例をよく知る専門家としてメディア出演も多数。
http://www.fine-coaching.com