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ヨシタケシンスケ 人は欠けているからこそ補い合える

子どもの真剣さを大人にどう伝えるか?/完璧な人を目指さなくていい、その代わりほかの人を助けてあげよう


子育て世代に大人気の絵本作家で、二児のパパであるヨシタケシンスケさん。4月に出版された絵本では、子どもの「自分で袋や蓋を開けたい」という気持ちに着目。親の役割は「手伝ってあげながら、自分でできるようにサポートをしていく」ことだと話します。ヨシタケさんが考える、「親として子どもに教えてあげたい最も大事なこと」についても聞きました。

「代わりに開けてあげる」ことも、やがてなくなってしまう

 「ヨシタケさんは大人なのに、どうして子どもの気持ちになれるんですか?」と聞いていただくことがよくあります。

 おそらくそれは、僕がいまだにちゃんとした大人になれていないからじゃないかと思います。大人として振る舞いながらも、価値基準にどこか子どものままの部分があって、なにかあるごとに「大人ってえらいなあ」と感心するし、心の中に納得できていない場所があって「大人ってずるいなあ」と感じることもある。もうすっかりおっさんなんですけどね(笑)。

インタビューに答えるヨシタケシンスケさん
インタビューに答えるヨシタケシンスケさん

 例えば、「大人みたいに上手にやりたいのにできない。なぜなら、自分はまだちっちゃくてちからもよわいから――」。子どもってそんな悔しさを抱えていますよね。

 大好きなチョコの袋ひとつ開けるのにも、いちいち「ねえ、これあけて」とお父さんかお母さんに頼まなきゃならない。それを受け取った親はいとも簡単にピリッっと開けてホイと戻す。開けてもらえれば、子どもはすごくうれしいし、安心できるけど、ちょっと悔しい

 僕自身、2人の子どもが持ってくるものをパカッとか、ベリッとやりながら、このやりとりって面白いなあ、とずいぶん前から思っていました。そこから着想を得て描いたのが、4月に出した『あきらがあけてあげるから』(PHP研究所)です。

出典/『あきらがあけてあげるから』(ヨシタケシンスケ著、PHP研究所)
出典/『あきらがあけてあげるから』(ヨシタケシンスケ著、PHP研究所)

 子どもにしてみたら、どんどん開けていくことは文句なく楽しいと思うんですね。一方で親はどうか。うちの場合、中3になる長男はいつの間にかなんでも自分で開けられるようになり、小4の次男もいろいろなことがどんどん自分でできるようになっています。ああ、この「代わりに開けてあげる」というコミュニケーションも、やがてなくなっちゃうんだな、というさみしい気持ちが自分の中にある

次ページから読める内容

  • 「親がやってあげる」では子どもはつまらない
  • どう説明すれば大人のずるさを子どもに許してもらえるか
  • 大人ほど選択肢を持っていない子どもって、実は大変なんだ
  • キミも全部できる必要はない、できないことがあっていい

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DUALとは

ヨシタケシンスケ
ヨシタケシンスケ 1973年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。デビュー作『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)で第61回産経児童出版文化賞美術賞を受賞。同作と『もうぬげない』(ブロンズ新社)、『りゆうがあります』『なつみはなんにでもなれる』『おしっこちょっぴりもれたろう』(以上、PHP研究所)でMOE絵本屋さん大賞第1位を受賞。近著に『わたしのわごむはわたさない』『あきらがあけてあげるから』(同)など。二児の父。

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