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ジェンダーギャップ埋めるカギ「男性育休100%」

東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部チーフコンサルタントの塚越学さんが提言する日本の「処方箋」


ワンオペ育児、男性育休取得率や女性管理職比率の低さ……職場や家庭で、男女間のギャップを感じる瞬間は少なくないでしょう。世界経済フォーラム(WEF)が発表した「ジェンダー・ギャップ指数」(男女平等指数)で、日本は121位(調査対象153カ国中)と、過去最低の順位を記録しました。あなたは、この結果をどう受け止めますか。次世代の子どもたちを育てる親にできることとは。DUALならではの男女両面からの視点で識者たちに意見を聞いていきます。

第2回では、東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部チーフコンサルタントの塚越学さんに聞きました。

 ジェンダー・ギャップ指数の順位が大きく後退したことは私も驚きでした。普段自分が見ている風景は「121位の世界だったのか」というショックを受けました。

 実は私は、この数年の間の日本は過去の日本と比較して、ジェンダーギャップを埋めるために進んできたと思っていました。実際、関連する法律が施行、改正され、年々強化されています。それに合わせて国も企業も動いてきました。その対応ぶりは、実際にたくさんの現場で私も見てきました。確実に進んできているという実感を私は持っていました。

 しかし、毎年発表される指数は年々低下していき、今回は大きく順位を下げましたね。前進はしている日本のスピードが世界のスピードよりも明らかに遅いということを突き付けられたわけです。

 女性活躍推進は「時間がかかるよね」「今が過渡期だから仕方がない」という現場で広がる言い訳は、日本だけに通用していたものであって、女性活躍に関する比率は他国であれば1年や2年で伸ばせるものだったのではないか。日本は日本なりに頑張っていたけれど、世界はスピードもコミット度も上回っていたということなんですね。

責任持って格差解消を担う「タイムキーパー」は誰なのか

 ジェンダー・ギャップ指数そのものの順位だけを121位から大きく上昇させることは、実は簡単です。指数の算定基準は明らかになっているのですから、その数値を素直に上げていくことをしていけばいい。そして指数の上昇に直接影響する施策実現のために必要な権限と責任を持つ官庁、大臣を決める。責任を持つということは、達成できなければ首になるということでもあります。

 しかし日本はジェンダーギャップの解消よりも優先順位の高い判断基準が採用されるから、ジェンダー関連の数値上昇には時間がかかるのでしょう。さらに、ジェンダーギャップの解消に権限と責任を託された人がおらず、数値が上がろうが下がろうが「指数の算定の仕方が悪い」「相対評価だから仕方がない」となり、「ゆっくりでも、進んでいるからいいじゃない」という状態になる。確かに、ジェンダー・ギャップ指数は世界経済フォーラムの数値ですから、その数値を目標にし、その結果に一喜一憂するのは違和感があるかもしれません。一方で、自国で決めている男女共同参画関連には数値目標がたくさんありますが、それすらも、数値が達成されようがされまいが、誰も評価も叱責もされません。ジェンダー関連について、責任を持って進行管理する「タイムキーパー」がいないと言わざるを得ず、責任者のいない数値は先送りにされがちになるのはよく分かります。

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