メタ的な物の見方は「どうしてだと思う?」と具体的に伝える

犬山 「自分の状態や相手の気持ちを客観的に認知する」というメタ的な見方を小島さんはどうやってお子さんに教えたんですか?

小島 まさに今みたいに話しました。子どもに「君たちが私の名前を検索すると、ひどい書き込みがたくさん出てくるだろう。驚くと思うけれど、そこに書いてあることはほとんどがデタラメだよ。こんなこと書いてあるけど本当かなと思ったらいつでも私に聞いてください。罵詈(ばり)雑言はママは慣れているから大丈夫だよ」と。

 それから、「会ったこともない人に対して、根も葉もないことを書き込みたくなるのはどうしてだと思う? 人の心はどうしてそんな風に動くのかな。もしかして君がそういう書き込みをしたくなることもあるかもしれないよね。そんなときはどうすればいいと思う?」と言っています。

犬山 そこまで親が話しておいてくれると、いざ自分がそういった書き込みに直面したときに、きちんと対応できそうですね。気持ちも楽になれそうです。

小島 万が一、ひどい書き込みをしたい気持ちになっても、欲望に突き動かされて実行に移してしまう前に、自分はなぜこの人にこんなやり方で絡もうとしているのか、考えてほしいとも言っています。そうすると、別のところにある本当の原因に気付けるかもしれないからです。

「あなた助けてくれる人はいっぱいいる」と教えることも大切

小島 「私が役に立つならいつでも話を聞くし、親以外の人に話したいなら、カウンセラーもいる。専門家に抵抗があるなら、まずは信用している先生や友人でもいい。君には助けてくれる人がいっぱいいるから大丈夫だよ」とも伝えています。

犬山 あなたの話を聞いてくれる人が世の中にいるんだよと、言われるのと言われないのとでは大きな違いがありますね。「お母さんに全部言いなさい」ではなくて、別の人に言いたくなったらこういう選択肢もあるよと伝えることも大切だと思います

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(小島慶子著、1540円、日経BP刊)

 2人の子どもの母であり、オーストラリア・パースで暮らす4人家族の経済的な大黒柱でもある小島慶子さん。日本とパースを数週間おきに行き来する生活の中で感じた、夫婦や子ども、社会、働くことへの思いを綴ったエッセイ集です。

【「はじめに」から抜粋】

 親はついこの前まで親ではなかった素人です。だけど人間を一人育てるというとんでもない仕事を、ぶっつけ本番でやらねばならないのです。(・・・中略・・・)

 混んだ電車に飛び乗り、髪を振り乱して保育園に迎えに行き、ようやく帰宅してから食事入浴をこなし、寝かしつけでつい寝落ちして真夜中に目覚めたときの絶望感といったら。重い体を起こし、散らかった部屋を片付けて、保育園のノートを書かなくちゃならない。うんざりしながら、すやすや眠るわが子の寝顔に、もっと優しくしてあげたかったのにと胸が締めつけられて…。その繰り返しでした。

【主な内容】

Chapter1 夫婦の話 夫婦の在り方って?につくづく思うこと
・「崖っぷち共働き親」の罪悪感と幸福
・夫婦のセックスレスに、我々はみな興味津々
・夫たちよ、鎧を脱いで育児・夫婦を語ろう 他

Chapter2 仕事の話 大黒柱ワーママをしながら考えてきたこと
・「ワーク・ライフ・バランス大嫌い」の方へ
・働く母は、約束とドタキャンが怖い!
・社会に出て20年、思い描いたキャリアとは違う世界に出合った 他

Chapter3 子育ての話 子どもから教わったこと、子に伝えたいこと
・入園前の親御さん、ハグしてチューしよう!
・子ども抜き「私の幸せ」へ猪突猛進せよ
・安全神話なき世にあっても生き延びる子に 他

Chapter4 社会の話 パースで、日本で、飛行機で、社会について思うこと
・40過ぎてADHDと診断され自分を知った
・仕事育児の両立は「女性だけの問題」でなくなった
・最高にクリエイティブで濃密な「今」に幸あれ 他

大黒柱ワーママ対談
・小島慶子×犬山紙子 未来へつなぐ共働き&子育て

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小島慶子
東京大学大学院情報学環客員研究員
昭和女子大学現代ビジネス研究所特別研究員
NPO法人キッズドアアドバイザー

小島慶子 1972年オーストラリア生まれ。1995年学習院大学卒業後、TBS入社。アナウンサーとしてテレビ、ラジオに出演。1999年、第36回ギャラクシーDJパーソナリティ賞受賞。2010年に独立後は各メディア出演、講演、執筆など幅広く活動。2014年、オーストラリア・パースに教育移住。自身は日本で働きながら、夫と息子たちが暮らす豪州と行き来する生活。連載、著書多数。


犬山紙子
イラストエッセイスト
犬山紙子 1981年生まれ。物事の本質をとらえた歯切れの良い発言が共感を呼び、TVや雑誌、Webなどで活躍中。2014年8月にミュージシャンの劔樹人さんと結婚し、2017年1月に女児を出産。現在は劔さんが家事・育児をメーンで担当する共働き生活を送っている。志を同じくするタレントたちと児童虐待の根絶に向けた活動「♯こどものいのちはこどものもの」、社会的養護を必要とする子どもたちに支援を届けるプログラム「こどもギフト」にも取り組んでいる。

構成/福本千秋(日経DUAL編集部) 撮影/洞澤佐智子