日経DUALの新刊、『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(小島慶子さん著)の発行を機に、テレビや雑誌で大活躍の2人のワーママが対談。21世紀を生きる子どもたちに伝えたいことや、男性の育児参画をよりいっそう進めるためには何をしたら良いか、そして、子どもたちの未来のためにDUAL世代の親たちができることについて語り合いました。書籍には収録しきれなかったお話も含め、連載で紹介します。

子育てが終わったら夫婦の形はどうなるか?

小島 私は以前は、結婚は最高の相手を選び取って幸せな家庭を築き、なるべく離婚しないほうがいいと思っていたのね。でも数年前からその考えが変わってきたんです。子育てというフェーズにおいては、今の夫はベストだと思うのだけど、今後、フェーズが変わったときにどう思うかは分からないと考えています。うちはあと8年くらいで、子育てが終わるので、そのときに世界がどう見えるのかワクワクしています。犬山さんの夫婦観はどう?

犬山 10年後のことに確証が持てると言い切れる人のほうが、無責任ですよね。でも、私は今、夫のことを心底リスペクトしているので、なるべく一緒にいたいです。それは、結婚という制度を続けたいというよりは、好きだから一緒にいたいという気持ちです。

 でも、この間、もしも夫が私以外の女性のことを好きになって、その人のことを大事にしたいという気持ちがうまれたらどうしようと、ふと思ったんです。そしたら、「自分が身を引く」っていう答えになりました。夫がそっちのほうが幸せなら、そうするしかなくないって? そこに私の愛情があるからいいかなと思ったんです。

 私はもともとはすごく嫉妬心の強い人間なんですが、夫への尊敬があるからそうなりましたけれど、あくまで妄想なので、実際そうなったら「ふざけるな!」って怒るかもしれないけど……(笑)。

どんなふうに仲直りするかも伝わる

小島 ところで、夫婦ゲンカはしないに越したことはないですよね。でも、子どもに一切見せちゃだめとも思いません。意見の相違や感情の行き違いはあっていいと思うんです。むしろ、子どもに「きれいな夫婦の形」だけを見せるというのは、本当に親切かどうか、考えたほうがいいと思うんですよね。

犬山 怒鳴ったり、殴ったり、物に当たったり、存在を否定する言葉のような暴力性がなければ、夫婦がケンカする姿を見せるのは悪くないですよね。親も人間だからケンカをするということが分かるし、ケンカを見せてどんなふうに仲直りするかとかも伝わります

小島 そう。「人と親密に関わり合うときには摩擦が起きる」というのは、いずれ子どもたちも経験することです。だから、人と人が真剣に向き合うといろいろな厄介なことが起こるんだよというのを、ライブで見るというのは悪いことではないと思うんです。

 子どもの前で罵倒し合って憎み合うというのは面前DVになりかねないので親のほうの工夫というか、心得が必要ですね。ですが、仲直りした後にさっき実はこういうことがあってねとちゃんと解説すれば、子どもにとっては、意外といい勉強になります。ぶつかり合いにも豊かさがあると気づくので。

犬山 話し合いの仕方を、工夫している夫婦もいますね。例えば、カッとなったら一息おいて、コーヒーをいれてから話すとか。冷静じゃないときは1分間別の部屋に行ってからにしようとか。そういう方法を子どもが見て、学んでくれたらいいですね。

 と言っても、うちはケンカしないんです。なんでかというと、夫は全部自分が悪いと思っちゃうタイプだからです。自分を責めてしまうんですね。それはそれでお互いに辛いですし、子どもには自分のことを責めてばかりというふうになってほしくないので、私は理不尽な事で怒らないように、夫は自分の意見を言えるように、今、夫婦で気をつけています。