京都大学卒で、バイオリニスト&タレントとして活躍する松尾依里佳さん。2歳の女の子のお母さんでもあり、忙しい毎日を過ごしています。そんな松尾さんが、子育てで大切にしていることとは? 2回目は松尾家の子育てについて紹介します。

「『バイバイ』はおわかれのことばよ」

 こんにちは。松尾依里佳です。子育てをしていると、毎日があっという間に過ぎていきますよね。独身の頃は、すべての時間が自分のもので、好きなだけバイオリンを弾くことができたけれど、子どもがいるとバイオリンの練習も子どもによって中断されて、分刻みになってしまいます。「ママ、バイオリンをもっていないで、わたしをだっこして!」と娘から言われると、抱っこせざるを得ませんからね。

 でも、そんな生活も悪くない、と思っています。子どもはどんどん成長してしまうので、今は娘との時間を大切にしたい。最近はよくおしゃべりもするようになり、コミュニケーションを取れるようになって、娘と過ごす時間がとても楽しいです。

 娘は比較的早い段階から言葉を話すようになりました。それは絵本の読み聞かせの効果が大きいのではないかと思っています。読み聞かせを始めたのは「佐藤ママ」こと佐藤亮子さんの本に、「3歳までに1万冊の絵本の読み聞かせをした」と書いてあるのを読んで、それを実践してみようと思ったからです。

 「佐藤ママ」といえば、4人のお子さんを東大理Ⅲに入れた教育ママとして有名で、独自のやり方に賛否両論があるでしょう。私は、その子育ては実はすごくシンプルだと思っていて、参考にすることもしばしばです。幼少期に子どもにたくさん絵本の読み聞かせをしてあげるというのは、頭のいい子に育てるためではなく、たくさんの言葉に触れさせることで、人として心が豊かになれるからだと思っています。

 私は娘が0歳の頃から、絵本の読み聞かせを始めました。読み聞かせをすると、子どもは言葉をどんどん吸収し、いろいろなことが言えるようになります。子どもが自分の気持ちを話せるようになると、かんしゃくを起こすことも減ったように感じます。会話ができるようになると、子育てはぐっとラクに、楽しくなりますね

 先日の朝、娘が私を起こしに来たのですが、もうちょっとベッドでゴロゴロしていたかったので「バイバイ」と言ってみたのです。すると、「なによ!あさから『バイバイ』なんて。『バイバイ』はおわかれのことばよ」と返してきたのです。思わず笑ってしまいました。多分、どこかで聞いた言葉をそのまままねてみたのでしょうけれど、聞いたことをすぐに自分のものにする。子どもってすごいなあ、と思いました。

家にある「ばばばあちゃん」の絵本(作・さとうわきこ、福音館書店)はすべて料理絵本で、 おままごと好きの娘は最初に読んだときからリピートがすごく、大好きなシリーズです。食材についていろいろ興味を持って質問したり、ここで覚えたメニューを見つけると喜んで話すので、よい食育にもなります
家にある「ばばばあちゃん」の絵本(作・さとうわきこ、福音館書店)はすべて料理絵本で、 おままごと好きの娘は最初に読んだときからリピートがすごく、大好きなシリーズです。食材についていろいろ興味を持って質問したり、ここで覚えたメニューを見つけると喜んで話すので、よい食育にもなります