こんにちは、藤森麗子と申します。私はプロ家庭教師集団「名門指導会」の一員として、中学受験を志す家庭の国語指導に携わっています。入試が間近に迫った今、私が担当する家庭にお伝えしてきた「最後の数点を上げに行く語句・漢字の攻め方」についてお話しします。

漢字の勉強の仕方 ウソ? ホント?

 漢字の勉強について、このような相談を毎年受けます。「子どもが解いた過去問の結果を見たら、漢字ができていなかった。漢字は覚えればできるのだから、練習が足りていないに違いない。『たくさん問題集をやろう』と言っても、子どもからは『漢字は勉強してもキリがないから、これ以上やっても意味ないよ』と反発をされてしまった」

 お子さんの気持ちは分かります。しかし、考え方としては正しくありません。

 漢字問題は、覚えてさえいれば確実な得点源になるのですから、最後まで諦めずに取り組むべきなのです。事実、逆転合格者は入試前日まで漢字の勉強を続けています。

 ただ、一方で、練習を重ねるだけでは、漢字はできるようになるとは限りません。これはどういうことなのでしょうか? 実際の入試問題からひもといてみましょう。

 以下は、2019年 慶應義塾中等部の入試問題から抜粋した漢字問題です。

「トクイな才能の持ち主」
「セソウの移り変わり」
「ジョウセキ通りに行う」
「あれこれシアンする」
「先見のメイ」
「富士山頂のソッコウ所」
「彼はチクバの友だ」

(答えは次のページで)

 単純に漢字を形として書けるかを確認するというよりも、「語彙」として漢字を覚えられているかを問う問題が出題されています。そして、こういった出題の仕方は、慶應中等部に限らず、中学受験全体における入試傾向です。このような漢字問題に対して、問題集をひたすら解く反復学習を重ねても、得点はなかなか上がってこないでしょう。

 では、入試本番に向けて、漢字の学習はどのように進めていくべきなのか、次のページから順を追って、説明します。