こんにちは。プロ家庭教師集団「名門指導会」算数科主任の高野健一です。入試に向けて算数で特に押さえておきたいポイントについてお話しする3回シリーズ、前回は図形問題を解くポイントを紹介しました。2回目の今回のテーマは「速さ」です。
中学入試の算数において、「速さ」は出題頻度の高い分野の1つです。その一方で、速さを苦手とする子は少なくありません。その大きな理由は、速さの問題では解法を単にあてはめるだけで解決できる問題が少なく、その前に動きの状況を整理することで初めて解決の糸口を見つけることができる問題が多いからです。
速さの問題で動きの状況を整理する方法は、主に次の2つです。
・ダイヤグラム(進行グラフ)
これまでの指導の経験上、多くの子はこれらのうちいずれか一方のみを用いて問題を解こうとするケースが多いです。どちらか一方を使いこなすことができれば、ほとんどの問題は解決できるはずなのですが、実際には一方だけでは行きづまってしまうこともあります。これら2つの方法にはそれぞれ使いやすい場面があるので、それに応じて使い分けができると有利になります。
そこで今回は、「状況図」「ダイヤグラム」がそれぞれ有効に作用する問題を1問ずつ扱い、これらの描き方や有効な活用法について見ていきます。
時間の要素が少なければ状況図を作る
速さの問題を整理する際に、次のような図にまとめることがよくあります。

この図は「状況図」や「線分図」などと呼ばれています。線分図という名称は和差算や相当算などでも用いられるので、子どもたちにはなじみがあると思います。しかし、そちらでは数量の大きさを線の長さで表しているのに対し、この場合は動いた様子を線で表しているので、その違いを明確にするために、この記事では「状況図」と呼ぶことにします。
状況図の利点は動いた様子が視覚的に分かりやすいことです。そのため、
動いた距離の和や差に注目→旅人算
距離や時間が等しい部分に注目→比の活用
といった場面で見やすくなります。実際に次の問題で考えてみましょう。
(1) 花子さんの家は駅から何mのところにありますか。
(2) 次郎君は学校まであと何mのところにいますか。
次ページから読める内容
- 状況図を描くために必要な2つのポイント
- 状況図は「○○が等しい」が分かりやすい
- 時間の要素が多ければダイヤグラムを使う
- 行きづまったら、状況図とダイヤグラムを両方とも描いてみる
続きは、日経DUAL有料会員の方がご覧いただけます
-
有料会員限定記事子育て、キャリア、夫婦の連携、家計管理など、共働き家庭のニーズに応える共感ノウハウ記事がぎっしり!毎月の総力特集や連載がスマホで便利に読める共働きマガジンです。
-
おでかけサポートメール平日は時間がないからこそ土日は親子で思い出に残るホンモノ体験を!直前でも参加できるとっておきイベントが満載。メールとともに予約が相次ぐお宝情報を毎週お届けします。
-
共働き応援クーポン生活用品から子育てサービスまで、共働き暮らしに役立つ商品が割引きされるクーポンを多数ご用意。記事に加えて「お得」もゲット!嬉しい優待サービスをご案内します。
-
「教えて!両立の知恵」妊娠から育休、職場復帰、小1の壁対策など専門家ノウハウを伝授。子の年齢やテーマで分類されたQ&Aが約300本読み放題、引き放題。賢い共働き家庭に欠かせない大辞典です。
-
ラクラク保育園検索保育園の細かな施設情報がキーワードや自治体から検索できる使いやすいデータベース。保育園探しを始める共働き夫婦の「保活必勝ツール」です。
-
あなたの街の保育園事情分析入園決定率、認可整備率、園庭保有率など、自治体ごとの保育園事情を深掘り!保活に役立つ情報が満載です。
-
日経DUALラウンジ有料会員限定のオンライン会議室です。質の高いクローズドなコミュニティで情報交換ができます。
-
イベント招待/先行受付専門分野の名物講師によるプレミアムセミナーにご招待したり、優先的にご案内したりします。