小学4~6年生の親子向けに、時期ごとにやるべきToDoを中学受験カウンセラーの安浪京子さんに聞いていく本連載。今回は受験が迫ってきて不安になりやすい小6親へのアドバイスを聞きました。また、4・5年生が秋のこの時期にやることも紹介します。

子どもの睡眠時間を確保することを最優先に

 模試や過去問で点数が取れないと、第1志望への気持ちが揺らぎ、親が不安になる時期です。あれもこれもやらねばと子どもにToDoを課してしまう親も多く、やり残したことは翌月に繰り越してでもやりきろうと思うかもしれません。

 しかし、追い込めば追い込むほど、子どもはどんどん元気をなくしていきます。

 中学受験に完璧な状態で臨むことはほぼ不可能です。秋の時点で志望校に手が届いている子のほうがまれです。ここから志望校対策に取り組み、学力を伸ばしていきましょう。最難関校に受かるような子ですら、すべてやりきれてはいません。やり残しは気にせず、「今できることをしっかりやろう」という気持ちで過ごしてください

 偏差値や合否判定の数字に目が行き、どうしても気持ちが揺らぐときは、中学受験をしようと思ったときの原点に立ち返ってみてください。何が何でも行きたい第1志望の学校があるのか、それとも「こういう学校がいい」というイメージがあって、そこに合致しているなら他でもよいのか。あるいは、中学受験に挑戦するという過程に価値を見いだすのか。その目的を再確認して、ゴールに向かってリスタートしてほしいと思います。

 併願校もまず「行きたい学校」から選びましょう。4~5校くらいを選び、そこから過去問と相性の良い学校を選ぶという戦略がいいと思います。過去問と相性が良い、というのは、併願校のために対策をしなくていい、ということも含みます。例えば、第1志望の過去問は記述回答の問題が少ないのに、第2志望は記述が多いと、第2志望のための対策が別に必要となります。第2志望のために対策の負担が大きくなる場合は、よほど思い入れが強くなければ避けたほうがいいでしょう

 

 今、親が何よりもすべきことは睡眠時間を確保してあげることです。わが子が何時間眠れば、元気に過ごせるかは、親にしか分かりません。必要な時間を見極めて、受験直前期までその睡眠時間を取れるように、塾や気分転換の時間をスケジューリングしてあげてください

 11月の終わりになると受験まであと2カ月。「もうあれもこれもはできない」という現実が見えて、親は気持ちが落ち着いてきます。やるべきことも絞られてくるでしょう。

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