どれも中途半端、これといった強みが分からない
小5の娘を育てる母です。ピアノ、習字、水泳、そろばん……といろいろ習い事をしてみましたが、どれも「そこそこなレベル」で、子どもの「これ」といった強みが分かりません。強みを見出して、伸ばしてあげたいのですが、どうしたらいいでしょうか。
【内田さんからのアドバイス】
そもそも、「強み」とは大人が見出すものではなく、子どもが自分自身で、成長の過程で少しずつ見出していくものです。その力を信じてあげてください。
お子さんの「どれもそこそこできる」というのは、すごく幸せなことですよ。ピアノや習字、水泳など、いろいろな体験をしたことは大きな財産です。やらなかった子よりも、学校で習字の時間も水泳の時間も楽しめるのではないでしょうか。将来オリンピック選手やピアニストになったら、それは確かに大きな強みですが、普通はオリンピックにまで行けるのはほとんどないと言ってよいでしょう。そこまでいかなくても、心と体を使って体験してきたことは、素晴らしいことです。
習い事だけでなく、日常生活にもお子さんの「強み」につながるものが必ずあるはずです。「よくお手伝いしてくれるね」「下の子の面倒をみてくれてありがとう、うれしいよ」などと、小さなことでも気づいたことは、ぜひ言葉に出して伝えてあげたいですね。それこそが家庭でできることだと思います。
次回は、「子どもの自主性、どうやったら身につきますか?」というお悩みについてアドバイスをいただきます。
取材・文/西山美紀 イメージカット/PIXTA
環太平洋大学教授、お茶の水女子大学名誉教授
『「頭がいい子」が育つ家庭の8つの習慣』
(日経DUAL編、1540円、日経BP刊)
自分から学ぶ意欲のある子を育てるために、親はどのように子と関わればよいのでしょうか。専門家・著名人たち9人への取材から見えてきたのは、子の主体性を尊重し、親が自分の方針や思いを押しつけない姿。「勉強しなさい」と叱ったり、低年齢から塾に通わせたりするのではなく、夢中になれる体験や遊びを通して、子ども自身の「やりたい」「学びたい」という気持ちを自然に引き出すというものでした。具体的なノウハウを「8つの習慣」として紹介します。
【主な内容】
プロローグ:「勉強しなさい!」よりも大切な親の関わり方
お茶の水女子大学名誉教授 内田伸子さん
・抽象的な思考の土台となるのは、遊びを通じた「実体験」
・幼稚園卒と保育園卒で学力に差は出るのか
習慣1:自由な遊びと体験で「想像力」を伸ばす
生物学者・青山学院大学教授 福岡伸一さん
・回り道にこそ豊かな学びがある
・中学受験も、頑張り体験の1つ
習慣2:子どもの「やりたい」気持ちを止めない
東大卒タレントで2児の母 髙田万由子さん
・子どもが見つけた「好きなこと」には口出ししない
・失敗から学ばせる ・積極的に外遊びをさせる
習慣3:正解を与えない
京大卒の高学歴芸人 ロザン・宇治原史規さん
・問題が解けたら「わあ! すごいね」
・宿題のやり方を、あえて子どもに教えてもらう
習慣4:子ども自身に考えさせ、決めさせる ~非認知能力を高める~
日本人初の「全米最優秀女子高生」の母 ボーク重子さん
・小学校3年生まで「教科書も宿題もなし」
・子どもの裁量に任せるために、家庭でルールを設ける
習慣5:親も一緒に成長する
マザーネット社長 上田理恵子さん
・「勉強ができなくて困る」ことに気づかせる
・勉強のやり方、時間の使い方は自分で考えさせる
習慣6:「熱中体験」で地頭のいい子を育てる
脳科学者 茂木健一郎さん
・何かに熱中する体験が地頭をよくする
・「自分ならできる」と思える子に育てるには
習慣7:教育はリビングの本棚から始める
YESインターナショナルスクール校長・サイエンス作家 竹内薫さん
・読書は「発信力」をつけるために大切
・本がある家庭で育つと読み書き・計算の能力に影響
習慣8:なんで?の繰り返しで理系思考を育てる
東京大学教授 「渋滞学」考案者 西成活裕さん
・大切なのは「没頭経験」と「負けず嫌い」
・「言葉つなぎゲーム」で論理力を鍛える
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