「そんなに簡単にあきらめちゃっていいのかな?」

【内田さんからのアドバイス】

 小2のお子さんのほうは、学校で疑問がわいたとき、すぐに先生が正解を教えてくれる環境にあるのかもしれません。学校はどうしても「教える」「教えられる」という関係になりがちだからです。

 子どもが「もう考えるのが面倒だから、別にいい」なんて嫌がるそぶりを見せたとき、親が「どうして考えないの?」などと深追いするのは逆効果です。いったん引き下がり、代わりに、「そんなに簡単にあきらめちゃっていいのかな?」と、一言投げかけておきましょう。少し時間がたったときに「そういえば、この前のあの疑問は……」などと、再び考え始めることにつながるからです。

 親も、子どもから同じような疑問が出てきたら「この間も、同じようなことを言っていたよね? あの話と似ているんじゃない? 一緒に考えてみようか」などと、子どもの思考をつなげる手伝いをしてあげるといいでしょう。そしてお子さんが、少しでも考えたら、「そうかもしれないね。よく考えたね。ママ(パパ)は◯◯ちゃんが自分で考えられたのうれしいな」と子どもが自分で考えたことを褒めてあげてください。このようなやりとりを通して自分で考える癖が見についていくでしょう。

子どもの興味を引き出すサポートをしてあげよう。画像はイメージ
子どもの興味を引き出すサポートをしてあげよう。画像はイメージ

 また、5歳のお子さんのほうは、「親の反応を引き出したい」「親から褒められたい」という時期でもありますから、ある意味、仕方のない反応ともいえます。褒めて子どもがダメになるということはありませんから、根気よく「すごいね、よく気づいたねえ」などと褒めてあげてください。

 スマートフォンで調べることは確かに便利ですが、エビデンスが不確かな情報が載っていることもあるので要注意です。「スマホ(インターネット)も間違っていることがあるんだよ。だから一緒に考えてみない?」という具合に、すぐに正解にたどり着くのではなく、一緒にゆっくり考えてみましょう。

 試験勉強なら、決められた制限時間内に解く必要がありますが、家庭で生まれた疑問の解決のための時間は、たっぷりありますから。いきなり答えを与えてしまうと、「答えを見つける過程」を体験する機会を奪ってしまいますよ。

 五感を働かせて、これまでの経験で知り得たことを考え合わせて、自分で答えを見つけていくという習慣はとても大切です。小3くらいまでは、抽象的な感覚がまだ備わっていないので、具体的な体験をもとに考えるといいですね。