単に「テストでいい点が取れる」というのではなく、好きなことを自分で見つけて学べる子に育つには? わが子の可能性を伸ばすためのノウハウをまとめた日経DUALの書籍『「頭がいい子」が育つ家庭の8つの習慣』が好評発売中です。発達心理学・保育学の専門家で、「おかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」「こどもちゃれんじ」などの監修も手掛けたお茶の水女子大学名誉教授の内田伸子さんが、忙しい共働きの親が家庭でできる関わり方を教えてくれています。

この連載では、子育ての「こんなとき、どうすればいい?」という問いに、内田さんが6回シリーズで答えます。

共働きで忙しく、遊びや体験施設に連れ出せない

 子どもを伸ばすために大切なこと。それは、子どもの主体性を大事にし、「自由な遊びと体験」を存分に味わわせることだと、内田さんは語ります。

都会の共働きで、遊びや体験が足りていないかもと不安に感じる親も。画像はイメージ
都会の共働きで、遊びや体験が足りていないかもと不安に感じる親も。画像はイメージ

 小学校4年生以降になると、小3までのひらがなや漢字、九九を覚えたりする暗記中心の学習から、抽象的思考が必要な勉強へと変わっていきます。この壁を乗り越えるためには、0~9歳の間にとにかくめいっぱい遊び、直接体験を積むことが大切。直接体験が豊かであればあるほど、想像力も豊かになり、見えない未来を思い描く創造力(クリエイティビティ)につながっていくと内田さんは指摘します。

 とはいえ、忙しい共働きの場合、子どもに思い切った遊びやさまざまな体験をさせてあげられないという悩みを持つ家庭が多いようです。

親からのお悩み【1】

 小1のわが子には自由な遊びや体験をしてほしいと思うのですが、共働きのため平日は親が遊びに連れだすこともできません。長期休みも私は仕事で、子どもはほとんど学童で過ごしています(さらに今年は新型コロナの影響で、例年実施されている調理実習や遠足などの学童プログラムがありませんでした)。働く親は、子どもの好奇心や探究心をどのように伸ばせばよいのでしょうか。


親からのお悩み【2】

 4歳の男の子を育てています。仕事が忙しくて、休みの日は家でゆっくり過ごしています。夏休みや冬休みでも、体験施設などに連れていくことをせず、家でいつもと同じように過ごしてしまいます。いろいろな施設に連れていって、たくさんの経験をさせている家と差がつくのではないかと心配しています。

 共働き家庭にとっては共感できる悩みでしょう。内田さんはこう話します。

 「『子どもを遊ばせる』というと、『動物園やテーマパークなど、特別な施設に連れていくこと』だと思う人が多いかもしれません。ただ、特別な場所に行くことだけが貴重な体験になる、というのは誤解なんですよ」。どういうことでしょうか。次のページから、内田さんに詳しく解説してもらいます(囲みの下のリンクをクリックして次ページへ)。

【好評発売中!】
『頭がいい子が育つ家庭の8つの習慣』

(日経DUAL編、1540円、日経BP刊)

未来を生き抜く力を育てるために親ができることを、具体的な30の「方針」として紹介。お茶の水女子大学名誉教授の内田伸子さんをはじめ、生物学者の福岡伸一さん、脳科学者の茂木健一郎さんなど、数多くの専門家や著名人に取材しています。ぜひ手に取ってお読みください。目次はこちらから!

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