「教育移住」を選択した先輩たちに、実践したからこそ分かる「教育移住のリアル」を聞いていく本連載。前編に引き続き、娘のモンテッソーリ教育のためにオランダに父子移住した大谷竜也さんに話を聞いていきます。「娘の教育環境は100点満点、僕のQOL(生活の質)は60~70点かな」と話す大谷さん、自身のQOLが高まりきらないのは何故でしょうか? オランダでの生活と、これからのことについて紹介します。

【前編】保育園卒園後、ママを日本に残し父娘でオランダ移住
【後編】オランダ移住 教育環境100点、親のQOL70点 ←今回はココ

「内覧するのも一苦労」なオランダの住宅事情

日経xwoman DUAL(以下、――) オランダでの生活についてお聞きします。まずは言語ですが、生活するにあたり英語が話せれば大丈夫なのでしょうか。

大谷竜也さん(以下、大谷) オランダ人はほとんど英語を話せます。僕がTOEIC600点レベルで渡航してきたので、そのくらいでもどうにかなると思います。ただ、電話の英語はなかなか聞き取れなくて困ることも。それに、欧米では何でも主張しなければ動かないので、やはり英語力はあるに越したことはないと感じています。

―― お住まいについて教えてください。

大谷 今、住んでいるのはオランダ南西部のデルフトという古都です。デルフト工科大学がある学生の街で、娘が通う学校から5キロほど離れています。僕らは学校の近くに住みたかったけれど、全然物件がなくて。結果的にデルフトになりました。これでも運がいいほうで、渡航時に同行していた妻が不動産屋に電話をかけ続け、たまたまあった内覧会に参加でき、その場で決めました。

 オランダは不動産が売り手市場で、住宅事情がとても厳しい。不動産情報サイトはあるのですが、そこに掲載されている物件は実際にはほぼ空いてないという状況で、物件の内覧にこぎつけるまでが大変でした。「最初の数カ月は民泊で過ごす覚悟がいる」というのは、オランダに渡航する日本人あるあるなんです。

 住まいは築100年以上の行政施設をリノベーション(改修)したアパートです。45㎡で家賃は月20万円くらい。こちらは大都市だけでなく地方でも東京都心並みに高いんですよ。なおかつ、家主は年3%超、家賃を上げていいという法律があって、毎年当たり前のように上がっていく。物価が上がるから当たり前という感覚だと思うのですが、日本人の感覚ではビックリですよね。

 生活面で驚いたのは、Amazonなどの宅配便が届いたときに不在だったら、近くの家に預けること。ある日、宅配業者が来て、「あなたのところの荷物じゃないけど預かって」と断る間もなく渡されて焦りました。困ったなあと思って友達に聞くと、オランダでは当たり前だと。別に出かけてもいいから、とりあえず預かっておけばいいと教えてもらいました。確かにうちが不在のときはポストに不在連絡票が入っていて、「〇号室に預けているから取りに行って」と書かれていました。オランダの方のおおらかさが出ていますよね。

デルフトでの住まい
デルフトでの住まい

次ページから読める内容

  • 必ずしも「思いのまま」とはいえない生活
  • 12歳で大きな選択を迫られるオランダの教育制度

続きは、日経xwoman登録会員の方がご覧いただけます

ログインはこちら
もっと見る