出産・育休を経て時短勤務で働きながら、管理職のポジションに就く女性たちが増えています。ただでさえ忙しい日々、本人たちは管理職というキャリアをどのように考え、挑戦しているのでしょうか。短時間で成果を上げるコツ、部下とのコミュニケーション、家庭との両立は? そんな社員をバックアップする企業の取り組みも含めて、最新事情をリポートします

今回の「時短管理職」
ファンケルの管理職、田代ひとみさん
田村ひとみさん(36歳)
マーケティング本部 化粧品事業部 商品企画第二グループ 課長

2005年にファンケルに入社し、2年間の店舗勤務を経て07年より化粧品の商品企画部門に配属。13年から第1子の産休・育休を取得。14年に職場復帰し、15年に時短勤務で商品企画第二グループ課長に就任。17年1月に第2子を出産し同年10月に復帰。18年3月に、時短勤務で再び同課長に就任。

ネットスーパーや調理器を活用して時短

 ファンケルで時短勤務を選びながら、化粧品の商品企画部門の課長として、部下5人を率いる田村ひとみさん。同社は女性管理職比率が45%、その4割をママ管理職が占める。「時短勤務で管理職の先輩ママ社員はいるけれど、私自身に務め上げられるのかどうか、という不安はありました」。田村さんは第1子出産後、課長への昇進を打診されたときの思いをこう振り返る。

 現在、田村さんの勤務時間は9時から16時で、通常よりも90分間短い。子どもたちは6歳と2歳の保育園児。朝の送りは夫の仕事だ。田村さんは仕事に直行し、16時過ぎには会社を飛び出し、1時間半電車に揺られ、自宅の最寄り駅から徒歩15分の保育園へお迎えに行く。

田村さんの、ある1日のスケジュール
6:00 起床、朝食
7:00 家を出る。子どもたちは夫と保育園へ
7:10~8:40 電車移動(音楽を聴きながら電子書籍を読む、英語の勉強、1日の予定確認、メール対応など)
9:00 仕事開始
16:00 仕事終了
16:15~17:45 電車移動(メール対応、ネットスーパーでの注文等)
18:00 保育園へお迎え
19:00 帰宅、夕食とお風呂の準備
19:30 お風呂
20:00 夕食
21:30 就寝

 「買い物をする時間が取れないので、もっぱらネットスーパーを利用。注文はたいてい帰りの電車の中で済ませます。保育園のお迎えは18時。子どもを連れて自宅に戻るのはどうしても19時近くになってしまいます。そこから、21時半までに二人の子どもを寝かすのは大変で、夕食の準備を効率よく行うことが欠かせません。朝のうちにご飯を炊いておく、お肉を解凍しておく、朝セットすると帰宅までに煮込み料理が完成する調理器を活用するなど、工夫しています

 週に1回程度は残業することもあり、そんな日は20時までの延長保育を利用。自分で迎えに行けないときは夫が頼りだ。「お迎えに行ってもらいたい日があらかじめ分かっているときは、スケジュールアプリに登録して共有します。実は夫の職場のほうが自宅に近いので、発熱などの急なお迎えは夫が対応してくれることがほとんど。取り決めというより、お互いできることを暗黙の了解でやっているという感じですね」

 時短勤務で職場復帰した当初は、仕事を家に持ち帰り子どもが寝てからこなしたこともあったが、仕事の効率化に努めた現在、仕事を持ち帰ることはほとんどないという。どうやって田村さんは、短い時間で管理職としての業務を行っているのだろう。

次ページから読める内容

  • メンバーの主体性を育てることが自身の時短に
  • 属人化を防ぎ、「課長がいなくても分かる」状態に
  • 単なる中継地点にはならない
  • 時短勤務者が特別扱いされない社風

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