出産・育休を経て時短勤務で働きながら、管理職のポジションに就く女性たちが増えています。ただでさえ忙しい日々、本人たちは管理職というキャリアをどのように考え、挑戦しているのでしょうか。短時間で成果を上げるコツ、部下とのコミュニケーション、家庭との両立は? そんな社員をバックアップする企業の取り組みも含めて、最新事情をレポートします。

今回の「時短管理職」
田中 麻衣さん(40歳)
エン・ジャパン 中途求人メディア事業部 企画部 マネージャー

2002年入社。営業職でチームリーダー(係長職)を2年務める。07年マネージャー(課長職)に昇格。08年に結婚。組織再編でマネージャーを降り、2010年に再度昇格。その後再び降り、2014年から第1子の産休・育休取得。2015年に職場復帰し、2017年に時短勤務で企画部マネージャーに就任。2018年に第2子を出産、2019年4月から時短勤務で現職に復帰。

 エン・ジャパンの中途求人メディア事業部で、企画部のマネージャー(課長職)として働く田中麻衣さん。同社には、時短勤務を選びながら管理職を務める「時短管理職」が13人誕生しているが、田中さんはその草分け的な存在だ。

 「現在の勤務時間は9時30分から16時30分までの6時間ですが、実際は17時頃までずれ込んでしまうこともありますね。2人の子どもは5歳と1歳。保育園にはだいたい18時前には迎えに行けるように頑張っています」

 子どもたちを朝保育園に送るのは夫の仕事。保育園のお迎えから就寝まではほぼ田中さんのワンオペだが、「宅配サービスのミールキットや冷凍食品、月に2日は家事代行も依頼して、乗り切っています。業務に関するメールは、社用スマホを使って会社の外でも確認。やり残した仕事は、朝早く起きて片づけることもあります。ただ、最近は下の子の夜泣きがひどくて、早起きできないこともしばしばですが……」

田中さんの、ある1日のスケジュール
5:00~7:00 起床
7:30 朝食
8:30 家を出る。子どもたちは夫と保育園へ。通勤中にスマホで日報などのチェック
9:30 仕事開始
16:30 仕事終了
17:30 保育園のお迎え
18:00 帰宅、夕食
20:00 お風呂
20:30 下の子の寝かしつけ
21:30 上の子と一緒に就寝
23:00 夫が帰宅

 02年に新卒で入社した田中さん。ライフイベントと隣り合わせのここまでのキャリアは、決して順風満帆だったとは言い切れない。出産前に20代で一度マネージャー職に昇格するが、その後、マネージャーを降りるという経験もしている。