「マンガじゃなくて本を読みなさい!」「ゲームばかりしてたらダメ!」などと小言を口にしてしまっていたら、ちょっと待って。マンガやゲームは今や「勉強の敵」ではありません。子どもの「好き」に火がつき、時に学びを深めるための効果的なサポートツールになることも。これまで多くの小学生、中学生を合格へと導いてきた受験指導専門家の西村創さんが、小中学生にぜひ読んでほしいマンガ、遊んでほしいゲームを紹介します。マンガ&ゲームの魅力とともに、「学びとは何か」についても切り込んでいきます。連載第3回で紹介するのは「桃太郎電鉄」です。

教育業界も大注目、教育版も学校教育機関向けに提供予定

 「桃太郎電鉄」は通称「桃鉄」と呼ばれ、1988年にシリーズ1作目が発売されてから34年に渡り売れているロングセラーのゲームです。

 「桃鉄」で子どもの頃から遊んでいたことで駅や地理を覚え、日本全国の観光名所や物産に詳しくなったという教育者、受験指導者も多く、今度は自分の生徒たちに遊ばせたいゲームとして「桃鉄」を挙げています。

 そんな教育業界からも注目を集める「桃鉄」は、2022年現在、学校などの教育現場のカリキュラムを想定して学習機能を追加したブラウザ版「桃太郎電鉄 教育版Lite ~日本っておもしろい!~」がサービス開始に向けて制作中で、すでに試作版が小学校の授業で活用され始めています。

 教育版の「桃鉄」は授業で活用できるようにWebブラウザーやタブレットで遊べるもので、23年から学校教育機関へ無料で提供される予定です。

 教育業界をはじめ、多くの人から支持を集める「桃鉄」の魅力をひと言で言うと「地理が楽しく学べる」ゲーム。暗記ばかりで嫌になってしまう、地理の楽しさが分からない、という子におすすめです。それ以外に歴史や投資の仕組みを遊びながら学べるという要素もあります。詳しく説明していきましょう。

すごろくの要領で遊べるシンプルなゲーム
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