油性ペンで、眉間に「傾聴」と書いておこう

 妊娠中から「モモさん、産後8カ月までは交通事故患者と同じです。体の中はダメージが大きいので、絶対ムリしないでください!」とリハビリのプロである理学療法士さんに何度か念押しをされ、心に留めていたけれど、これは全国のパパたちにこそ伝えたい。

 仮に出産したのが自分だったとして、体の内部のダメージが大きく、8カ月は要療養、リハビリが必要だと言われたら、あなたは妻にどんなサポートを望みますか?

 もし自分が、乳首だの手首だのに生々しい傷あとや痛みがある状態で、赤ちゃんを抱えて不眠不休だったら、相手が飲み会に行く姿に殺気立つのだって理解できるし、待望の休みに「休日出勤」と言われて落胆(正しくは静かなる怒り)する気持ちも分かるはず。相手の振る舞い次第では、ひそかに「絶対離婚してやる……!」と決意する時期であることもよくよく分かるのではないでしょうか。

 生涯でもっとも相手に寄り添い、心身及び生活ごと助けてもらいたい時期なのです。半年たとうと1年たとうと笑顔が増えようと、いたわってあげてください。そして、一人で悩ませないでください

 「具体的にどうすれば……」と思ったならば、ゴン太油性ペンで、眉間に「傾聴」と書いておきましょう。

 ちなみにバイオリニストという誕生日にバラを100本くれそうな仕事をしておきながら中身は昭和男児な夫は、言葉での表現が苦手。朝の起こし方は「おはようハニー」キス&モーニングコーヒーかと思いきや、布団を思いっきりはいで窓を開けて無言で立ち去るという昭和の母ちゃんです(さぶい!)。でも、娘たちの服とオムツのサイズ把握と在庫管理、幼稚園と保育園それぞれの完璧な登園準備、毎月の園のイベント管理まで、私以上にやってくれています。ケアする言葉はなくとも、行動で支えてもらっていることに感謝しているので、起こし方はさておき、子育てに不満はまったくありません。表現が苦手な場合には行動で示しましょう。

 以上、「ママに笑顔が戻ってきたからといって乳児を育てている間はバリバリ産後です」という、強めのメッセージでした。

4歳の長女は小さなお母さん。あれこれと世話を焼いて、たまに一緒に泣いています
4歳の長女は小さなお母さん。あれこれと世話を焼いて、たまに一緒に泣いています