10代・20代で両親が末期がんになった経験から予防医療に興味を持ち、アメリカで栄養学を学んだ細川モモさん。以来女性の健康についての啓発活動や、母子の健康増進プロジェクトに数多く関わるなか、2016年に女の子を出産しました。この連載では、ロールモデルのいない共働き時代に、いかに夫婦で協力し、時に葛藤を交えながら新時代の子育てに取り組んでいくのか、細川さん夫婦の日々の姿や率直な思いについてつづってもらいます。

子育て3年目をついに乗り切る

 娘のゆっちゃんが生まれて今月で丸3年。日経DUALの以前の連載(細川モモの子育てごはん)では0歳で経験した「ブラック保活」から始まり、子育てに奮闘する日々を赤裸々につづってきたわけですが、前回の更新日を見てびっくり。2歳の奮闘記が丸っと抜けているではありませんか! 正直に言ってしまおう。「2歳児ワンオペダイアリー」はつづる余裕すらなかった。読者の皆さまも、「2歳」と聞けばすべて言わずとも分かってくださるであろう。

 特に自分も感染症にかかったときのワンオペは泣くほどキツかった……。息も絶え絶えなDUALライフで、先輩ママから「3歳になると楽になるよ!」と沿道の声援をもらい、晴れてその日がやってきたのですが、その言葉は本当だった。いや、3歳になった今は3歳児の怒りのツボがさっぱり分からず、激昂する娘の前で途方に暮れている日々なんですけれども。それでも会話ができるだけ楽になったとは思う。

 七五三の準備もあるけれど、今は何より子育て3年目を迎えたことを夫と乾杯したいと思う。なぜって、産後クライシス含む「離婚ビッグウェーブ」を乗り切ることができたから。皆さんは「女性の愛情曲線」(※)というデータを知っているであろうか? 結婚後、妻の愛情の多くは夫に注がれているが、子どもが生まれると状況は一転し、愛情の多くが子どもに注がれると同時に、夫への愛情はぐっと下がっていくというものだ。

「夫婦2人育児」は不健全

 夫婦にとって最大の離婚危機は、多くの場合子どもが生まれて2年以内なのだ。産む前は生唾ゴクン程度だったこのデータが、経験者となると「分かるー!」ボタンを1000回連打したくなる。私の場合は、夫と本気で別れたいと思ったことはないけれど、仕事と子育ての両立が苦し過ぎて、時間があまりに貴重過ぎて、それを私から取り上げる夫が何度となく憎くなり、 破綻するんじゃないかと思ったことは何度かある。

 思えばこの3年間、私は夫を何度も加害者扱いしてしまった。正直にいうと、今でもそう思う時がある。もし、私が国の少子化タスクフォースなんぞに携わる日が来たら(ないけど)、訴えたいのは「夫婦2人育児の不健全さ」である。それこそが離婚の温床であり、2人目妊娠を遠ざける理由なのではないかとも思う。「夫婦2人育児」には、逃げ道がないのだ。「互いしかいない」というのは恋愛時代には着火剤のような効果があるが、子育てとなると真逆。逃げ道が互いしかない二者択一だからこそ、時に夫婦を加害者と被害者に分けてしまう。