ワンオペの元凶は「飲み会・出張・休日出勤」

 ママになって3年、私には大嫌いになった言葉が3つある。「大嫌いなんて子どもみたいな表現」と思いつつも大嫌いになっちゃったんだからしょうがない。その言葉とは、「飲み会・出張・休日出勤」である(ハイ、「地震雷火事親父」調に言ってみよー!)。

 妻時代にはダメージゼロだったこのワードが、母になった途端にランキング圏外から急浮上。あれよあれよと上位3つをかっさらった。世の乳幼児家庭のパパたちは、この3ワードには破壊力があることをちゃんと理解すべきである。ニコニコ笑顔を一瞬で消しとばす地雷ワードであることを。

 オーケストラの楽員を務める夫の勤務形態は特殊で、そもそも世間様の休日=仕事日。よって、土日祝日はもちろん仕事。さらに、個人での副業も一般的なため、1日に仕事が2つ重なることも珍しくない。出張は多いほうで、乳飲み子時代に3泊以上の出張に行かれたときはつらくて泣いたことも。月に数回は夜本番があり、23時頃の帰宅になる。つまり、ワンオペが多い。

 でもね、それが仕方ないことで、夫のせいじゃないことなんて百も承知の上なのだ。誰にだってあるでしょ、分かっちゃいるけど腹落ちできないことって(税金とか)。

 一方で、命を守る緊張感に24時間さらされ続けることは人をおかしくもさせる。「え? 24時間? 寝てる時間あるでしょ」と思ったパパ、目を覚まして。日英の研究でアトピー患者を子どもにもつ母親はなんと11年もの間、睡眠時間が短く、日中の疲れや睡眠障害を発症しやすいことが報告されている。そうなのだ、母親たちは寝ている間も安眠なんてしていない。子どもが起きる数だけ起きるし、布団をちゃんとかぶっているか、お腹が出ていないか、夜中に起きることもよくあること。子どもが起きたら起きたで、誤飲・誤食、飛び出し、激突、転倒といったハラハラ劇に肝を冷やしながら、自分の食事やお手洗いもままならずに日々髪を乱して子育てをしている。

 そんな日々の中で休息といえば、「夫に子どもを見ていてもらう時間」なのだ。預けるまでいかなくてもいい。「夫がいる」、それだけで背後を気にして洗濯を片付けることもなければ、チラチラと目をやりながら料理をしなくてもいい。仕事の電話だって出られるし、好きなタイミングでトイレにも行ける。「緊張感を半分にできる」それ自体が大きなことなのだ。誰だって安息は求めるものでしょう? 前述した3ワードは、その安息を無残にも奪い取る。

 ちょっと声を大にして言いたいのは「飲み会」。「飲みに行ってきていい?」とパパに言われたら、ママは2つのことを覚悟しなくてはいけないことを世のパパたちは分かっていない。それは、飲み会の夜はワンオペということだけではない。「次の日使い物にならない」という事実も合わせて受け入れることである。「居るのに使えないならいない方がマシ」。この3年間で何度聞いたママたちの本音だろうか。