いやいや、大なり小なり、しんどいっしょ

 前回の連載記事で、マリアナ海溝のごとく深い夫の器に甘えて、「眠れている人は黙ってろ」という少々過激な内容を書いてしまった。そうしたらなんと2700近い「いいね」をもらい、Yahoo!ニュースでもよく読まれ、SNSにとめどない共感のメッセージをいただいてしまった。

 その中のコメントに「一文でも夫に読んでほしい……」と切に願う声や「育児をつらいと思っていいんだと楽になった」などのコメントがあり、びっくりしてしまった。母業という踏んだり蹴ったりな毎日を嘆かず、ひたすらに耐えて暮らしているママたちがいることに。

 えっと、皆さん、もしや捕虜か何か……? いったいどんな独裁政治が敷かれたら、世界の中心で「しんどーい!」と叫びたくなる育児ストレスに目をつぶれるのでしょう。いやいや大なり小なりしんどいっしょ。寝不足極まってグゥグゥ眠っている人に殺意が湧いたり、子どもの感染症による番狂わせに魂が抜けたり、口ごたえに本気で苛立ったり。思うようにいかないことだらけな中で、体力の天井にも頭をぶつけまくる日々。あーしんどいって瞬間、子育てしていれば誰にだってあるはず。

 そんなしんどいことも含めて包括的にみれば幸せだなんてことは分かりきった話であって。恋愛だって、いってみれば「リア充」なわけだけど、すれ違いだのけんかだのというつらさは内包されているわけで。その愚痴はおおいに受け入れてもらえるし、人と会って開口一番、「彼とけんかした」って泣いたり愚痴ったりするのは普通なのに、なぜ子育てのつらさだけは棚上げせねばならないのか