10代・20代で両親が末期がんになった経験から予防医療に興味を持ち、アメリカで栄養学を学んだ細川モモさん。以来女性の健康についての啓発活動や、母子の健康増進プロジェクトに数多く関わるなか、2016年に女の子を出産しました。この連載では、ロールモデルのいない共働き時代に、いかに夫婦で協力し、時に葛藤しながら子育てに取り組んでいくのか、細川さん夫婦の日々の姿や率直な思いをつづってもらいます。

仕事にも時間とエネルギーを費やせるようになってきた

 子育て中のパパ・ママ、年末年始という名の冬休み、お疲れさまでした。世の中的には休みでも親的にはちっとも休まらない長期休暇。わが家はまったくありがたくないことに12月半ばに娘のゆっちゃんがインフルエンザに感染し、5日間の登園禁止をくらったおかげで母の仕事は納まるものも納まらず、大番狂わせのままようこそ2020年状態(放心)。

 前号の「母になって大嫌いになった3大地雷ワード 」になんと1000を超える「いいね」をもらい、「同じ思いのママたちがこんなにいるなんて……!」と胸が熱くなりました。きっと年末年始は「血液がアルコールになるぞ」というほど納会・忘年会・新年会で忙しいパパたちの背中を般若のような顔で見ていたママたちであふれていたことでしょう(南無)。でも、この話をすると柿ピー並みに止まらなくなっちゃうから、ガマンガマン。

 唐突ですが、2020年はわが家にとって特別な年になります。だって東京オリンピックの観戦に当たったから!というのは半分冗談で半分ホント。そうではなく、春に第2子が誕生するからです(現在妊娠8カ月)。

現在妊娠8カ月。春には第2子が誕生予定(細川さん提供写真)
現在妊娠8カ月。春には第2子が誕生予定(細川さん提供写真)

 正直言うと、保活も両立生活も想像を絶する大変さだったため、「うちはひとりでいいね」ムードがにわかに夫婦間に漂っていました。義父に妊娠を報告したときも「てっきりひとりっ子でいくのかと思っていたよ」と言われたほど。そもそも3人兄弟、3人姉妹で育った私たち夫婦にとって、親になる前は「きょうだいは当たり前に作るもの」という認識でしたが、その概念を覆すほど両立やワンオペはしんどく、ゆっちゃんが3歳になってようやく楽さを感じている今、再び0歳児と向き合って育てる自信は失われる一方でした。

 今感じている「楽さ」には、抱っこが減ったとかコミュニケーションができるとか、そういった楽さもあれば、仕事面での安堵感も含まれます。3歳ともなると発熱などで保育園から呼び出される頻度も休ませる頻度も劇的に減り、パパに夕ごはんと寝かしつけを頼んでの夜の仕事や、ついには泊まりで出張も行けるようになりました! うううう、うれしい……。思わずひとりホテルで待ちわびた時間をかみしめながらカンパーイ(妊婦なのでノンアル)。

 3年目にしてようやく以前と同じまでとはいかないものの、仕事にも時間とエネルギーを費やせるようになってきたのです。よく頑張った!よく耐えた私、とおおいに自分を褒めたたえたい。心なしか笑顔でいる時間も増えてきたように思います。

3年ぶりのひとり出張先での仕事風景(細川さん提供写真)
3年ぶりのひとり出張先での仕事風景(細川さん提供写真)

 問題はこうなるとね、この調子でいきたくなってしまうんです。だって3年も耐えたんですよ……? もういいじゃんこのままで(ド本音)。ひとりっ子の選択を誰が責めることができようか。