お金より手間をかけて、ユーザーの声を聞く

――データマーケティングとは、具体的にどのようなことを行っているのですか?

 ユーザーの継続率といったゲームの中のデータ、各地域でどういう需要があるのかといった市場のデータ、ファンミーティングなどゲームの外でのタッチポイントから得たデータなど、さまざまなデータを掛け合わせて予測をしたり、サービスを改善したりしています。

 そのために私たちは、お客様との直接の対話の場も大切にしています。いまはユーザーのニーズが多様化しているので、一人ひとりのニーズを丁寧に理解して、サービスを提供していかなければなりません。お金よりも手間をかける必要性が上がっています。運営側が、ファンミーティングなどを何度も開催し、小さなコミュニティでユーザーの声を聞いて、ユーザーと一緒に感動を作っていくイメージです。実際にプロデューサーがイベントで直接ユーザーとコミュニケーションをとることもあります。

マーケティング部の約半数が女性

――社内に女性は少ないのでしょうか。

山本  会社全体では、男性6.5割、女性3.5割くらい。でも私の部署では、約半分が女性で、課長4人のうち、3人が女性です

 マーケティングは、データ分析やオンライン広告など、業務が高度化し、役割も多いです。開発よりも一歩ひいてユーザーが求めていることを見極めるということも大切です。ゲームそのものに限らず幅広い知見を活かしてやれることはたくさんあるので、女性が多いのかもしれません。結婚や出産を機に退職する女性は、ほぼいないですね。

 面白い取り組みとしては「バンナムフライデー」という制度があり、月に1回好きな金曜日に1日遊びに行くことができます。有給ではなく業務扱いで、その日は会社を離れて様々なエンタメにふれてきなさい、そこで得たインプットを新たな企画などの業務に活かしなさいというものです。普段、家族がいるといくことができなかったり土日、休日では体験することのできないサバゲーやゴルフなど、みんないろいろなことをしています。私はスキーが趣味なので、日帰りでスキーに行ったこともあります。