ドラマ化もされた漫画『コウノドリ』の主人公のモデル、荻田和秀さんが妊娠・出産について知っておきたい10のことを教えてくれる本連載。今回は新型コロナウイルスからおなかの赤ちゃんをどう守ればいいのか、お話を聞きました。

胎児に影響は? 妊婦は重症化する?

 「新型コロナウイルス」と聞いて全くの未知のウイルスを想像しているかもしれませんが、通常、人に感染する「コロナウイルス」自体は、鼻風邪など一般の風邪の原因の10~15%(流行期は35%)を占めるもので、ある意味「おなじみ」のウイルスです。感染しても、ほとんどの人が軽症で済むので普段は注目されません。

 2019年12月以降に問題となっている、いわゆる「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」はコロナウイルスの一種です。ただし2002年に発生したコウモリ由来の「重症急性呼吸器症候群(SARS)」に近い遺伝子配列を持っている、突然変異型のウイルスなのです。

 コロナウイルスは通常は種類の違う他の動物に感染することはまれ。でも今回は、どうやら動物からヒトに感染してしまったようです。

 この新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってよく聞かれるのが「妊婦さんが感染したら特別危ないのか。胎児に影響はあるのか」ということです。

 これについて、現時点では「妊娠後期の妊婦さんが感染しても胎児への垂直感染は見られなかったという報告はあった」が「妊婦さんは重症化する可能性がある」といえます。