新型コロナが日本のパパたちの生き方を変えつつある。もともと仕事と家庭を両立していたパパたちの中には、人生をより充実させるべく大きな決断をした人もいる。仕事一筋だったパパたちの中には、コロナをきっかけに自分の人生を見つめ直し、家庭に目を向け始めた人も。連載では、そんなパパたちを紹介する。

前回に続き、コロナが社会や企業にもたらしたものについて、ファザーリング・ジャパン代表の安藤哲也さんに話を聞いた。

日経DUAL編集部(以下、――) パパたちの生き方が変わりつつあることは、社会にどんな影響を与えますか。

安藤さん(以下、安藤) さまざまな分野で影響があるでしょうね。特に学校や企業への影響に注目しています。

画像はイメージです
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 学校については、PTAを通して、学校側の変化が期待できます。今もPTA活動の参加者はママが大半というのが現実ではないでしょうか。私は数多くのPTAを見てきましたが、ママたちばかりですと、どうしても「お互いに気を遣う」という状況が生まれがちな面もあります。パパという「多様性」が加わることで、PTAが学校に新たな影響を与える存在になるかもしれない。

 例えばICT(情報通信技術)。コロナで顕在化しましたが、公立学校でいかにこのICTの導入が遅れていたか。コロナを前になすすべもなかった学校に対して、親の不満は相当でしたよね。外部の刺激としてPTAが機能すべき局面です。

 今時、多くの企業でオンラインでの会議は当たり前。ビジネスをしている人たちにとっては空気みたいなものがICTです。ICTになじみのあるビジネスパーソンたちの働きかけで、学校も動かざるを得なくなるのではないでしょうか。

 コロナを機に、家庭や地域に目を向けるパパが増えれば、主体的に「PTA活動に関わろう」「学校をよくしよう」というパパが出てきます。そんなパパたちがPTAの刺激になることは、大いにあり得ると思います。