2030年までに達成すべき目標を定めた「SDGs」。SDGパートナーズの田瀬和夫氏は、「企業が実践する、自社の製品やサービスを一つの目標に結び付ける現状のマッピングでは不十分」だと指摘する。

SDGsにはいくつもの目標を前に進ませる「ドミノの起点」が存在するというが、日本における起点とはどれか? 私たちが今すぐ取り組むべきSDGsについて解説してもらった。

学校給食を始めると複数課題が前進する

 ここまで、「なぜ、SDGsは喫緊の課題であるか」を紹介してきた本連載だが、第3回のテーマは「SDGsドミノ」である。

 SDGsが掲げる17の目標は互いにリンクしている。「それらを個々に解決していくのではなく、ある1つの課題を解決すると、ドミノ倒しのように複数の目標達成が近づくことがあります」と田瀬氏は説明する。

 「例えば、目標2の『飢餓をゼロに』を解決するため、途上国で学校給食を始めたとします。貧しい家の子どもたちが学校に来るようになり、栄養状態が良くなったらおなかが満たされて、集中して勉強できるようになる。字が読めるようになれば、上の学校に進む道も開けます。これにより目標4の『質の高い教育をみんなに』の実現にもつながっていくことが考えられるのです」

 さらには、進学によって親世代より賃金の良い仕事に就く可能性が広がり、平日、路上にたむろするストリートチルドレンが減って、治安の改善も期待できる。周辺農家の作物を買い上げて給食に使えば、家計も潤う。学校給食というドミノの最初の駒を実行することによって、子どもの健康だけでなく、貧困・飢餓の撲滅や教育の提供、格差解消なども前進する仕組みとなっている。

 日本における「SDGsドミノ」の起点となる目標は何だろうか?

次ページから読める内容

  • 日本のドミノ倒しの起点は、「女性の社会進出」
  • 「自分らしく働く」を実現できる企業は成長する
  • 意見を主張し、働き方、生き方を選び取れ

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