SDGsはドミノ式に倒れていく。日本の起点となるこまは?

 ただ、一方では、多くの日本企業がまだ「SDGsを十分に活用できていない」と田瀬氏は指摘する。

 「例えばインフラ企業なら目標11『都市を持続可能に』に貢献している、小売業なら目標12『作る責任、使う責任』を果たしている、といった具合に、 自社の製品やサービスを、 目標に結び付けるだけで満足してしまいがち です。しかし、そうした『マッピング』だけでは、SDGsの本質から少しずれてしまう。2030年の社会の在り方を示すSDGsは、市場の“未来予想図”です。本質を理解し、今後の事業戦略に取り込むことで、付加価値を生み出すことが可能となるのです」

 またSDGsは互いにリンクしており、ある一つの課題を解決すると、ドミノ倒しのように複数の目標達成が近づくことがあると、田瀬氏は言う。日本の発展を促す「ドミノの最初のこま」とは、何だろうか?

 次回は、SDGsを飛躍的に前進させる「ドミノ」について紹介していきたい。

取材・文/有馬知子 イメージ写真/PIXTA