教育関連分野で起業をしている「教育起業家」。従来の教育に変化の波を起こそうとしている人たちは、今どんな点を課題と捉え、何を変えたいと思っているのか――。インタビューを通じて、教育の問題点や理想の姿を探るリレー連載です。1回目は、2006年にインターナショナルプリスクールを設立、22年4月にはオルタナティブスクールを開校予定で、「京大工学部卒・MBA取得・銀行員からの保育士」という異色の経歴の持ち主でもある堺谷武志さんに、前後編に分けて聞きます。

<堺谷武志さん>
【前編】嗅覚や勘で動ける子を育てる 工学部、銀行員から教育へ ←今回はココ
【後編】親が「好き」を誘導すると、子はそれを嫌いになる

都会で暮らすと「不自然な育ち方」になる?

 「ビジネスマンのスキルは得ましたが、心は小5の頃から変わっていません」。15年前、東京都内でインターナショナルプリスクール「キッズアイランド」(幼稚園入園前の2~4歳を対象にした英語環境で学ぶプログラム)を創業し、2022年4月には東京都世田谷区にオルタナティブスクール「ヒロック初等部」(インターナショナルスクールなどと同様の扱いで、学校教育法第1条が規定する小学校ではないスクール。初年度の募集は低学年のみ)を開校予定の堺谷武志さんは、こう言います。

 京都大学工学部卒業後、都市銀行に入行。米国南カリフォルニア大学に留学してMBAを取得後、シンガポール駐在などしながら国際ビジネスに従事。米国とアジアの両方に住んだ海外経験が自分の視野を広げてくれたと感じている堺谷さんは、プリスクールを立ち上げるとき「英語環境」を前提としました。

堺谷武志さん
堺谷武志さん

 1女の父親でもある堺谷さん。海外から帰国して東京で暮らし、自然や多様な人と触れ合う機会が少ない環境で子どもを育てることに違和感を持ちました。「都会において何も意識せず子どもを育てていると、どうしても人や自然と触れ合う機会は少なくなってしまいます。意識して環境を整えないと、人間として『不自然な育ち方』になりかねないのが、今の世の中だと思います。そのような環境で育った世代が今親になり、ここ数十年、『人間として不自然な環境』で子どもを育てるという状況が繰り返されているともいえます」

次ページから読める内容

  • 「自分のザリガニ」を見つけるために
  • 人間同士のコミュニケーションの嗅覚を育てる
  • 「自分が教師になって、学校を変えたい」という小5の原体験
  • 教育は社会の縮図 変えたいなら自分のできることを
  • 異分野から教育に関わってよかった点

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