第2部 育休や時短勤務を経験したワーキングペアレンツのリアルな実態
第2部はパネルディスカッションが行われました。登壇者はアクセンチュアのワーキングペアレンツである溝川貴大さんと高橋扇香さん、東京大学経済学部教授の山口慎太郎さんの3人。日経xwoman編集委員の羽生祥子がファシリテーターを務めました。
最初のトピックは「親になってのビフォーアフター」です。どのような両立生活を送っているか、マインドの変化や苦労した点を聞いていきます。まずは溝川さんと高橋さんが自身の体験談を明かしました。
溝川貴大さん(以下、溝川) 10歳、5歳、3歳の子どもを共働きの妻と育てています。それぞれが生まれたときに育休を取得。期間は3回で計30カ月です。時短勤務も2年間経験。ワーキングマザーに近いキャリアだと思います。
今、振り返ると、1人目が生まれたときにいきなり頭が切り替わって父親になれたわけではありません。育児と仕事の両立に慣れてくるまでの時間が一番大変でした。親になって10年たっても両立生活は未だに予測不可能です。つい先日も末っ子が保育園で体調を崩し呼び出しが。仕事との兼ね合いもあって妻と話し合い、予定が急きょ変わるということがありました。
高橋扇香さん(以下、高橋) 私は昨年出産し、10カ月の産・育休を取得しました。復帰してちょうど1年になります。実はわが家も先日子どもが保育園で発熱。私も夫も外せない業務があり、私の母にお迎えや看病をしてもらうということがありました。
山口慎太郎さん(以下、山口) 子育ては夫婦が中心になりますが、自分や配偶者の親、外部サービスなど周囲のヘルプは欠かせません。職場の同僚の理解や協力を得ることも必要ですね。
溝川 私は1人目が生まれた時からある程度家事、育児に関わり、終業時間以降は仕事をしない働き方にしていました。今は管理職なので自分のペースを作りやすくなりましたが、1人目の頃はまだ若手で悩むこともありました。自分の大切にしたいことやどのように働きたいかを上司や同僚に理解してもらい、協力を得るためのコミュニケーションは必須だと思います。
山口 いざというときのために、普段から仕事における優先順位をはっきりさせておき、急なお迎えで不在になるときはどうするかも話しておくといいですね。