仕事への共通するマインドは「時間より質、量はチームでカバー」

── 高橋さんは時短勤務中。溝川さんはフルタイム勤務とはいえ、残業なしで子育てや家事にコミットしています。時間に制約がある中で、どのようなマインドを持って働いていますか?

溝川 子どもが生まれてから仕事の時間は減少しました。ただ、時間に対する成果は、子どもが生まれる前より今の方が高いのではと思います。子どもがいなかったころは、時間が無限にあるような気がして、無駄な作業もけっこうしていたんですよね。

 もちろん子どもが生まれてすぐに、うまく回せるようになったというわけではありません。お迎え時間のリミットがあって、絶対に8時間しか働けないという制限があるからこそ、どの作業が必要か見極められる力も磨かれてきたのだと思います。

 ワーキングペアレンツのワーク・ライフ・バランスには、ポジションの違いも大きく影響すると思います。私も3年前に管理職になり裁量権が増えたことで、働き方を自分でコントロールしやすくなりました。今はマネジャーとして、質で貢献できるよう心がけています。量に関してもチームでうまく分配することで対応できています。

高橋 時短勤務中ということもありますが、私も仕事の時間は格段に減りました。復職後すぐに「今までと同じ働き方では終わらない」と危機感を感じ、マインドをチェンジしました。それからは「今すべき事・後でもいいこと・しなくてもいいこと」を取捨選択し、優先順位をつけて仕事を進めるように心掛けています。

 会社に価値をもたらすために、質で勝負することもより意識するようになりました。そのためにも、今までに手掛けてきたサプライチェーン領域での経験や知識を拡充し、スペシャリストとしてのキャリアを築いていきたいと思っています。

溝川 キャリアや昇進に関しては、子どもが生まれる以前の方が熱量が高かった思っています。若い頃は、育休や時短勤務を取得すると同期より昇進が遅れるのではという悩みがありました。私の場合、育休期間が合計3年くらいあるので、単純に考えても3年も遅れてしまうと思っていたんです。

 でも、今は3年というのはそれほど大きな差ではないと思っています。昇進への意欲は持ち続けていますが、家庭やプライベートを含め、その時その時で最適な働き方があると考えるようになったからでしょう。家庭に割いた時間は決してマイナスではないとポジティブに考えています。キャリア面ではまずは1つ上のポジションで求められる役割を果たせるようにできることを増やしていきたいですね。

溝川さんファミリー
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