復職1年目ママは短日短時間勤務を利用。徐々に仕事に慣れていけるメリットが

── 高橋さんは産後8カ月で職場復帰。現在「短日短時間勤務」を利用しています。これは週3日以上及び週20時間以上の範囲内で勤務時間を設定できるアクセンチュア独自の制度ですね。この制度を利用しようと思ったきっかけは? またどのように利用しているのでしょうか。

高橋 すぐにフルタイムに戻るのが不安だったので、利用することにしました。

 復職直後は「週4日、1日5時間」勤務。4カ月後に「週5日、1日6時間」に増やしました。最初からフルタイムで復帰する人もいますが、私の場合、段階的に日数と時間を増やし、徐々に仕事に慣れることができたのはよかったです。

── 短日短時間勤務だとどのような働き方になるのでしょうか。

高橋 各組織に「ワーキングペアレンツサポーター」という働く親を支援する担当者がいるのですが、復職時にこのサポーターと上司、当事者である私の3人で面談を行いました。どのような領域や役割で働きたいか、希望を伝え、それを元に上司・サポーターが仕事時間やスキル、経験を加味して適切なプロジェクトを紹介してくれます。

 私は今、プロジェクトのリーダーをしていますが、上司に定期的に状況を伝え、不在時に代役となってもらえるようにしています。また、終業前には部下に状況を確認し、不在時にもプロジェクトが回るようにしておくことを心がけています。そのようなサポート体制もあって、短日短時間勤務でもプロジェクトがうまく回っています

 残業はないのですが、子どもが寝た後に少しだけパソコンを開いています。これは自分が終業した後にどんなメールが流れていたかとか、部下が何か困っていないかなどの情報をキャッチアップするため。それをしておくと次の日、スムーズに仕事に入れるのです。もちろん、疲れてすぐに寝てしまう日もありますし、金曜日はやらないなどメリハリをつけるようにしています。

── 溝川さんも上のお子さんが2歳のころから2年間、1日7時間勤務にしたことがあるそうですね。

溝川 保育園の送迎のためでした。もともとは妻と分担していたのですが、どちらかに仕事上で突発的なことがあって「当番なのに迎えに行けない」となると、相手に「お願いできる?」と連絡をしなければなりません。その都度、調整をするのが大変なので、私がいつでもお迎えに行けるようにしておこうと思い、1日1時間の時短を取ることにしたのです。

 その結果、余分な調整が減って仕事に集中できるようになりました。今はフルタイムに戻っていますが、コロナ禍以降、完全リモートワークなのでお迎えが間に合います。高橋家では保育園の送迎はどうしていますか?

平日・休日トータルでバランスを取る高橋家の家事シェア。溝川さんは「自分が半分より多く」

高橋 わが家は送りが夫、お迎えは私にしています。送迎に関しては半々なのですが、私が時短にしている分、平日の家事・育児の負担が多くなっています。私が6~7割、夫が3~4割くらいなので、平日はもうくたくたで(笑)。その分、休日でトータルのバランスを取っています。たまに家事・育児を100%夫に任せて、私だけ友達と遊びに行くこともあります。溝川家の家事シェアはどんなバランスですか?

溝川 家事に関しては、トータルで見て自分のほうが半分より少し多く分担するように心掛けています。洗濯、掃除、買い出し等、私が多くを担当している家事と、料理や子ども関連の手続き等、妻が多く担当する家事についてもある程度担うようにして、関わらない家事をなくすようにしています。子どもが保育園で熱を出して呼び出されたときも、在宅勤務でフレキシブルな私が迎えに行くことが多いです。

 この間、妻に「トータルで見るとどっちが多いと思う?」と聞いたら「それはあなたでしょう」と言っていたので、半分より多く分担しているというのは思い込みではないと思います(笑)。

高橋 それはすごい! どうしてそのような心掛けになったのでしょう?

溝川 「半分より少し多く」のほうが私の精神衛生上ラクだからです。きっちり半分だと、お互いに「自分の方が多く分担している」と感じると思いませんか? それでギスギスするのは避けたいので「半分より少し多く頑張っておこう」と心掛けるようになりました。

 ただ、このさじ加減が難しいんです。たくさんやり過ぎても、うまくいくとは限らなくて。妻は「どうだ、こんなに家事してるぞ」とアピールされているように感じるみたいですね。そういう面もあり、我が家では「夫が半分より少し多く」がベストバランスなのではと思います。

高橋 とてもいい考え方ですね。保育園の呼び出しについては、わが家はまだ経験がないんです。いざというときどうするかシミュレーションをしたこともないので不安です。1度夫婦で話し合っておこうと思います。

高橋さんファミリー
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