子育て中、突然の病気は避けられない。そこで心がけていることは

―― 花田さんは職場復帰して9カ月ほどです。お子さんが生まれる前と比べてどんな変化がありましたか?

花田 子どもがいないときはあまり終業時間を意識しないで働いていましたが、今は、保育園の送り迎えのために、また食事、ミルク、寝かしつけのために決まった時間に仕事を止める必要があり、意識に変化があります。今のところは大きなトラブルもなく回せていますが、今後、繁忙期が夫婦で重なったときに、どのように調整したらいいのかという心配があります。高橋さんはどんなふうに乗り越えていますか。

高橋 忙しい中でも、お互いのわずかな空き時間を、譲り合うしかないかなと思います。そのときどきで子どもの面倒をどっちが見られるか相談して、乗り越えてきました。それでも終わらない仕事は早朝や子どもが寝た後に。

 これまでに一番大変だったのは2年前、コロナ禍で保育園が休園になったときです。仕事をしながら6歳の娘を見なければならない状況になりました。夫婦共にリモートワークだったのですが、それぞれ管理職のため、30分おきくらいにミーティングが入っている……。紙に30分刻みでタイムチャートを書いて、それを見ながら交互に子どもの面倒を見たり、会議に入ったりしていました。ミーティングの時間が重なったときは、どちらかが日程調整をすることも多々ありました。

花田 参考になります。

―― 花田さんは復帰後に娘さんが病気になったことは?

花田 先日、娘が熱を出して保育園を休みました。「休みをいただきます」と上司に連絡をしたら、チャットでお大事にとハートマークをつけてくれて、温かさを感じました。仕事の状況にもよると思いますが、私の周囲ではワーキングペアレンツへ理解の深い方が多いと感じます。

高橋 保育園からのお迎え要請といった緊急事態はどうしてもありますね。そういったときは、フレックス制を使って子どもを迎えに行き、妻にバトンタッチしたら、夕方から仕事を再開するといった継投策も使っていました。

 そんな中で心がけているのが、子ども事由だけではないですが、できるだけ同僚に「サプライズ」がないように働くということです。突然の予定変更や遅延は相手に負担をかけることですから。例えば、子どもが鼻水をたらしていたり、少しせきが出るなど、体調悪化の予兆があるときは、あらかじめスケジュールの調整をしたり、変更を打診したりしています。

 特に子どもが乳幼児の時は、チームのメンバーや上司に「今は子ども優先で働いている」という宣言をしていました。ただ、宣言することで、子ども優先で仕事を手抜きしていると思われないか、協力してもらえないのではないか、と考えたことがありました。ですので、限られた時間で自分の役割を担うこと、結果にコミットすることは、子どもが生まれる前以上に意識していました。

高橋さんと家族
高橋さんと家族