繁忙期は妻ワンオペも。両親がいることで安心感

 繁忙期は「この2日間は仕事に集中したい」などと相談し、妻にワンオペで乗り切ってもらうこともあったそうです。そのようなときに頼りになったのが両親の存在です。「私が仕事にかかりきりで、妻も体調が悪いときに娘のお世話を頼める存在が身近にいることは大きな安心材料でした」

 今里さんは実家での地方拠点勤務を振り返り次のように話します。

 「リモートワークを行うことで、仕事を継続しながら、生まれて間もない娘の子育てに最初から関わることができました。地方は車を持ちやすいので、子どもが急に病気になってもすぐに病院へ行くことができます。また、実家を拠点にすることで、手探りでスタートした育児に両親の知識や手を貸してもらえて、より手厚い環境を整えることができました」

 現在は東京に戻っている今里さん。地方拠点で働く良さを実感し「機会があればまた経験したい」と話します。一方で習い事、学校など、子育てに関しての選択肢が多い首都圏での暮らしにも魅力を感じているそうです。

 子育て中の家族がどこを拠点にして働くかは、子育ての方針や夫婦のキャリア観と関わる問題です。これまで働く親の両立には「職」と「住」の距離は短いほうがよいとされてきました。しかしリモートワークの普及や働き方改革の浸透により、職と住の距離が離れていても、両立がかなえられるようになっています。仕事のペースを保ちながら、子育てをスタートさせた今里さんの体験はワーキングペアレンツの新しい両立スタイルとして参考になるのではないでしょうか。

家族との食事会(生後6カ月)
家族との食事会(生後6カ月)

取材・文/福本千秋 写真提供/今里さん

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