コロナ禍でリモートワークが日常的だったことが後押しに

 地方へ移転することに、仕事面での支障はなかったと言います。というのも、アクセンチュアでは2015年に働き方改革がスタートし、以前より導入されていたリモートワークの環境がより整っていたためです。また、コロナ禍ということもあり、今里さんも東京拠点の時からリモートワークを行っていました。

 「そもそも、私が所属しているプロジェクトチームは、東京、北海道、大阪、中国など複数の拠点に所属するメンバーから成り立っています。会議もリモートで行うことが基本なので、私が東京から福岡へ移動することでの影響はありませんでした。アクセンチュアは福岡にもオフィスがありますが、1年の間オフィスへ行くこともほとんどありませんでした」

 ただ、リモートと対面の両方の良さを知っていたため、すべてをコミュニケーションツールに頼らざるを得なくなったことには心配もあったそうです。

 「そこで、コミュニケーションをより大切にするようにしました。初対面の人とリモート会議をするときは、できるだけ顔を出し、カメラを見ながら話をしていました。

 チームのサブリーダーとして部下と話すときには、意図的に雑談の時間を作ることを心がけていました。リアルには1度も会ったことがないメンバーや、コロナ禍に経験者採用で入社したメンバーもいて、何かあったときに声を掛け合える雰囲気作りが必要だと思ったからです。工夫をすることで、自分自身のフォロワーシップ力も高まったのではと感じています」