なかなか広がらない男性の育児休業。取得率はいまだ7.48%(2019年度)にとどまります。ただ、前向きに取得する男性が徐々に出てきているのも事実です。実際に育休を取得したパパたちは、家庭や仕事でどのような変化があったのでしょうか。一部の特別な“スーパーイクメン”ではない、普通のパパたちへのインタビューを通じて、社会の実相に迫ります。

育休を取った人
勝間直行さん 会社員(製薬会社勤務)

家族構成:妻 会社員(人事系コンサル) 
長男(7歳)、次男(5歳)、三男(2歳)

育休取得経験
三男誕生から1年9カ月

子どもが生まれる前から、家事を担う割合は高かったものの…

 料理は得意、家事全般についても一通りこなすことができる勝間さん。仕事に熱心で前向きな妻とのバランスを考えて、子どもが生まれる前から、家事を担う割合は高かったと言います。

 7年前、第一子が生まれた時は、男性育休のことを知ってはいたものの、自分自身が取得するということはあまり考えていませんでした。その後、子育てしながら共働きをすることの大変さを知り、第二子の際は育休取得を検討するも、仕事の調整がうまくいかずに断念。働きながらも、その都度調整をしつつ家事育児に関わってきました。

 しかし、第三子の妊娠が分かった時に、勝間さんは1年半という長期の育休取得を決意しました。子どもが2人いる状況で妻一人が新生児の対応をすることは、難しいと判断したためです。

 いわば、「3人目の正直」ともいえる育休取得。そこには、予想外のことがたくさんあったといいます。