育休中は「妻へのケアやサポート」が大事

育休とったらこうなった4
育児の大変さを改めて実感し、当事者意識が深まった

 以前にも育休の経験があったおかげで、2回目の育休時にはある程度の家事・育児ができるようになっていたという森さん。「長女の夜泣き対応やミルクも、ローテーションを組んで妻と交互にこなすことができました。出産直後は、とにかく妻の睡眠時間を確保することを重視していましたね」

 こうして出産直後の状況を目の当たりにすることで、「改めて、子どもを産むことってこんなに大変なんだと実感しました」(森さん)。長男の時も2カ月の育休を取りましたが、子どもは生後11カ月とある程度は大きくなっていました。出産直後の大変さは、1回目の育休の時の比ではありませんでした。

 「1人目の育休は期間が短かったこともあり、まだ“お試し気分”が抜けていなかったんだと思います。育児に対して当事者になりきれていなくて、本当に育児したとは言えなかったのかもしれないとも感じました。2回目の育休を長く取ったことで、自分ではできたと思っていたけれど、実際には足りなかった部分があることにも気づきました」。例えば、以前に森さんが家事に集中し過ぎて、子どもから目を離してしまったことがあったそうです。「すると妻が『もっと子どものことを考えて』と言うんですが、本当にそうなんだと思います。自分のペースで家事をし過ぎず、常に子どものことを気にしていなければいけないということが身に染みました」

森さん夫妻と2人の子どもたち(森さん提供)
森さん夫妻と2人の子どもたち(森さん提供)
育休を通じて得たもの
妻をケアする機会が増え、けんかが減った

 森さんは「さまざまなことをトータルで考えると、育休は取って良かったと思います」と言います。「子どもと過ごす時間の大切さを改めて実感できただけでなく、何より育休中は妻をケアしたり、サポートしたりすることが大事だと思うんです。妻とたくさんコミュニケーションを取りつつそれが実現できたのがよかったです。妻からは『あなたはまだまだ甘い』と言われることもありますが、以前よりだいぶけんかが減ったと思います」と森さんは笑って振り返ります。

インタビューを終えて、筆者のまとめ

企業にフルタイムで勤めて仕事をするスタイルでは、家族と長い時間を過ごすのはなかなか難しいものです。育休を取ることでそれを実現できると、結果として人生のターニングポイントになるのかもしれません。また、森さんの場合は2人のお子さんと長く一緒に過ごすことで、育児のいいところも大変なところも深く経験できたのがよいですね。それによって、今後も妻と家事・育児を共有していくベースを作れたのではないでしょうか。

取材・文/杉山錠士