徐々に世の中に浸透しつつある、男性の育児休業。実際の取得率はいまだ6.16%(2018年度)にとどまるものの、政府でも「取得義務化」を訴える動きが出てくるなど、空気は確実に変わってきています。では、実際に育休を取得したパパたちは、家庭や仕事でどのような変化があったのでしょうか。一部の特別な“スーパーイクメン”ではない、普通のパパたちへのインタビューを通じて、社会の実相に迫ります。

育休を取った人
安田修吾さん 会社員(技術開発系)

家族構成:妻(フルタイムの会社員)、長女(8歳)、次女(4歳)

育休取得経験
1回目 長女誕生後、妻の職場復帰のタイミングで4カ月
2回目 次女誕生後、妻が里帰りから帰ってきたタイミングで2週間
3回目 妻の職場復帰のタイミングで2カ月半

育休取得前の不安と、取得後の変化

 妻と結婚した当初、安田さんは深夜残業や休日出勤は当たり前という激務のただ中にいました。そんな折、育休を取得した男性会社員がスピーカーを務めるセミナーをたまたま訪れました。

 当時、激務が続いていたことで体も弱っており、「このままの働き方を続けて、子どもを持ったときに自分はまっとうに子育てできるのだろうか」と漠然とした不安の中にいたせいか、パパの子育て話を聞いているうちにどんどん育休への興味が湧いたという安田さん。「子どもができたときには自分も育休を取ろう」と決意したそうです。

 そして、妻が妊娠し、出産を控えていた時期に「育休を取りたい」という希望を上司に伝えました。返ってきたのは、「あ、取るんだね」というライトな反応。同僚などからも否定的な反応はなく、すんなり取得できました。妻も「私が職場復帰するときには夫が育休を取ってくれる」という前提で考えており、両親からは「仕事は大丈夫か?」「子育てできるの?」とやや心配されたものの、大きな反対もなく育休に突入しました。

 休業する仕事面の不安はほとんどなかったものの、本当に自分一人で育児をできるのかという不安は大きかったと語る安田さん。しかし、結果としてそれから三度も育休を取得することになりました。実際に育休を取ってみて、安田さんにどのような変化があったのでしょうか。