徐々に世の中に浸透しつつある、男性の育児休業。実際の取得率はいまだ6.16%(2018年度)にとどまるものの、政府でも「取得義務化」を訴える動きが出てくるなど、空気は確実に変わってきています。では、実際に育休を取得したパパたちは、家庭や仕事でどのような変化があったのでしょうか。一部の特別な“スーパーイクメン”ではない、普通のパパたちへのインタビューを通じて、社会の実相に迫ります。

育休を取った人
茂木優典さん 看護師

家族構成:妻(検査技師)、長男(3歳)

育休取得経験
長男の誕生から1年間

男性育休について知っている人がいない

 関東の病院に看護師として勤務する茂木優典さん。4年前に、同じ病院で検査技師をしている妻の妊娠が分かりました。夫婦共に地方出身のため、妊娠・出産時に実家のサポートを得るのは難しい状況でした。そこで考えた茂木さんは、自分から「育休を取るのはどうだろう?」と提案したといいます。

 茂木さんはもともと子ども好きなうえ、「うちは幼い頃に両親が離婚したため、ほとんど祖父母の世話になっていて、両親と一緒に過ごした経験が少なかったんです。だから自分に子どもができたら、共に過ごす時間をきちんとつくろうと考えていました」と、前向きに育休の取得に向けて動き出したといいます。

 ところが、職場で相談を始めた茂木さんは、思わぬに反応にぶつかりました。「看護師はほとんどが女性です。自分が勤める病院でも、男性の看護師は1割もいません。女性が産休・育休を利用したケースは多かったものの、男性は私が初めてです。そんな状況なので、男性の育休に関して知識を持っている人がいなかったんです」。茂木さんの上司にあたる女性の看護部長に「育休を取りたい」と伝えたときも、厚生労働省が発行した育児休業に関する冊子を携えて行ったにもかかわらず「えっ、そうなの? 男性の育休ってありなの?」と驚かれたといいます。

 「ただ、周囲の人たちは『知らない』というだけで、悪気は全くないんです。周りの男性の話を聞くと、しばしば『育休の取得について上司が理解してくれない』といった話が出てきますが、僕の場合はそうではない。『理解がない』のではなくて、そもそも『何それ?』といった反応でした」。そのため、上司や人事担当の部署に根気よく説明して、少しずつ育休取得の準備を進めていったといいます。

茂木さん夫妻と息子さん(写真は茂木さん提供)
茂木さん夫妻と息子さん(写真は茂木さん提供)

次ページから読める内容

  • 看護師ならではの特技を生かす
  • けんかしてもリカバリーのチャンスがある

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