よそのお父さんは、子どもを褒めるの?

 「みんなみたいにのびのびと描かなきゃ」と言われて、ショックを受けました。しかもその後、タンポポの絵が貼り出されて。それを見るたびに「ああ、私、間違っちゃったんだ」と落ち込んでいました。

 大人になった今では、どんな絵も正解だし、一人ひとりの感性こそ宝物だと分かります。でも、ふとしたときに「あのとき全否定された」と思い出して、自信をなくしかけることがあって。幼児期の体験って、結構引きずってしまうものなんですよね。

 小学校に入ってからも、学校や家庭でなかなか褒められることはありませんでした。夏休みの工作でも、きっちり取り組んだ割には評価されず、反対に、弟が何も考えずに粘土をこねて作った亀の形の置き物が賞をもらって、「こういう作品が賞をもらうのか……」とがっかりしたことも。

 もちろん両親は私や弟のことを大事にしてくれましたが、いわゆる、現在推奨されているような「褒める子育て」ではありませんでした。あるとき、友達のお父さんが子どもを褒めちぎっているのを見て、「よそのお家では、こんなに子どもを褒めるの?」と、びっくりしたほど。自己肯定感が低いせいか、自分から発言することが恥ずかしく、よく人見知りをしていました

 そんな私が変わり始めたのは小学校高学年の頃、一人の先生と出会ったのがきっかけでした。