行き先は気象情報を見て考えて

 川遊びをするときの注意点から見ていきましょう。当然のことですが、川はプールや海と違って、上流から下流に向けて流れがあります。まず気にかけておくべきことは「向かう前に当日だけではなく、前日までの天候を確認しておくこと」だと菅原さんは言います。それは、現地だけの話ではありません。上流の地域で大雨が降っていれば、下流は増水して水流も速くなります。「上流も含めて雨が降っていないか、ここ数日はどうかと確認することが欠かせません。もちろん行き先を決めるときに『去年は安全に遊べたから』という思い込みも禁物です」と菅原さんは強調します。現地に到着したときに、水の量や速さを確認することも大切だと言います。

安全な川遊びにライフジャケットは必需品
安全な川遊びにライフジャケットは必需品

 遊ぶ時の子どもの格好にも気を付けなければなりません。例えば、履物を履くことは大切だと菅原さんは説明します。「川底は鋭い石もあるため、はだしではケガをする恐れがあります。ただ、スリッパやサンダルの場合はすぐに脱げないような仕組みになっているもののほうが望ましい。ふとしたタイミングで脱げてしまうと、それを追いかけようとして深みに入ったり、滑ってバランスを崩したりしてしまう恐れがあります。スニーカーなどでもいいでしょう。同じ理由で、ゴムひもなどが付いていない帽子をかぶることもお勧めしません」(菅原さん)。もちろんライフジャケットの着用も重要。そして、不測の事態に対応するために、見守る保護者は下流にいることを心掛けるよう指摘します。

 万が一、これらの点に注意していても子どもが溺れたり、流されたりした場合はどのように対応したらいいのでしょうか。DUALの掲載記事「溺れた時『助けて』と叫んではダメ。ではどうすれば?」では、溺れたときに大声で助けを呼ぶことを避けて「静かに浮いて待つ」ことの重要性を述べていますが、菅原さんもそれに同調します。そのうえで「足を下流側に向けておくことを意識づけておいてほしい」と語ります。それは、仮に流されてしまったときに頭が進行方向にあると、岩などの障害物に当たる危険性が高く、より命の危険にさらされるためです。

 また、流された場合も「無理に助けようと近づいてはいけない」と菅原さんは警告します。流れに乗ってしまっている場合、仮に溺れている人に近づけても、その人を連れて岸まで戻ってくるのは並大抵のことではないと言います。溺れている人を助けようとした人が、溺れて亡くなるといった報道を目にしたことはあるのではないでしょうか。菅原さん自身も「泳ぎに慣れている私でも無理だと思います」と話します。

 では、どうすればよいでしょう。菅原さんは「1人で見守っている場合は、子どもが流れるのと同じペースで川岸などを歩いて下っていき、浅瀬など自力で助けることができそうなところにたどり着いたときに救助する」ことを勧めます。仮に大人が2人いる場合は、「1人で見守っている場合と同様に、1人は流れている子どもと同じペースで下り、もう1人は自力で助けられそうなポイントに先回りしておく」と続けます。1人を子どもと同じペースで川岸などを下らせるのは、先回りしている大人に子どもの現在地を示す役割もあります。圏外でなければ消防などに電話で通報し、周囲に人がいる場合は助けを求めることも取るべき対応の1つです。焦って無理をせず、最良の選択肢を見つけ出すことが大切です。

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