仕事でのアウトプットにつなげてこそ学ぶ価値がある

 学んで成長し、会社に貢献できる人材に育ってほしいという考えから、当社ではスタッフがセミナーなどを受講する際の費用の支援を行っています。その際に気になるのが、学んだ内容を報告してくれてその後の仕事に生かしていることもあれば、「学びました、楽しかった」で終わってしまうこともあることです。後者のようなケースはせっかく学ぶ意欲があるのに、もったいないなと思います。

 私はセミナーなどを受講するときは、仕事にどう生かそうかということまで考えながら講義を聴き、その場でアイデアをノートの別枠にメモしたり、付箋を貼ったりしています。それをセミナー後すぐに「こんなことを学んだから、こういうことをやってみたいのだけど」とスタッフにメール送信。皆、もう慣れたもので、「セミナー後に何か来るだろうな」「何か始めようとしているな」と待ち構えてくれるようになりました。

 こんなふうにしているのは、どれだけインプットをしても、アウトプットしなければ学んだ価値がないと思うからです。新しいキーワードが自分ゴトとして口から出たときに、その学びが自分の中で他の学びとつながっていくのではないでしょうか。スタッフが新しいことを受け止めてくれ、さらに意見を交わすことによって会社も新陳代謝して進化を続けているように思います。

構成/福本千秋(日経DUAL編集部) 撮影/花井智子