仕事面でもっと欲張りになりたいけれど、チャンスや新しいことについ「しり込み」してしまっていませんか? この連載では、ライフオーガナイザーとして多くの人の整理収納を改善し、「SMART STORAGE!」の代表として活躍を続けている鈴木尚子さんに、仕事で挑戦を続けるために大切な心構えやスキルを聞いていきます。第3回はワーママに多い「家事も仕事も抱え込み過ぎ」をどうするかがテーマです。

人を頼るにはまず、自分を信頼すること

 こんにちは。「SMART STORAGE!」の鈴木尚子です。

 私が組織のボスとして心掛けているのが、自分を信頼することです。実は私自身、この仕事を始める前は自分を信頼できていませんでした。子育ても家事もうまく回っていないという自覚があって、人に頼るのがすごく怖かったんです。でも、自分の家の片付けをやり遂げて自分の足跡を振り返ったときに「私は頑張ることができた。やりきれた」と思え、初めて自分を信頼することができたのです。

 自分を信頼できるようになってからは人を頼ることができるようになりました。人を頼れることは、仕事面でとても重要です。自分のことを信頼できると、自己肯定感も高まります。だからこそ、自己信頼は大切だとスタッフにも話しています。

 余計な感情を入れずに、フラットに物事を見ることも心掛けています。スタッフの仕事ぶりを見るときにも「この人はこれが得意、これは苦手」という事実だけを見て、じゃあ、どんなふうにチームをつくろうか、と考えます。

フォローし合えるチームを作るために大切なのはフラットな見方

 これはスタッフにも心掛けてもらっていることです。例えば、スタッフのAさんが「私は〇〇はできるけど△△ができないから、この仕事は無理なんです」と言ったとします。「無理」というのは、Aさん個人の解釈。でも、△△が得意なBさんとチームを組めば「△△ができない」ということは問題ではなくなります。それを判断するのは、リーダーの仕事です。Aさんには「この仕事はダメ」と諦めず、「私は〇〇はできるけど△△が苦手」という事実だけを伝えてほしいですし、私はそう言える雰囲気をつくらなければならないと言っています。

 苦手なことは、お互いにフォローし合うことで、解消できますし、それぞれのスタッフに得意なことを思いっきりやってもらいたい。そのほうが効率が良いし、本人の満足度も上がります。