シングルマザーとして出産後に、猛勉強して公認会計士資格を取り、テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍する森井じゅんさん。今、中学1年生の娘は、結果的に公立中学校に進みましたが、中学受験のために塾に通わせる経験もしました。連載3回目では、中学受験の費用について公認会計士の立場から思うことや、独学で道を切り開いた森井さん自身の効率的な勉強法について聞きました。

高校受験は母から隠れ、集中して勉強

 育った家庭の環境から、「一体いつ、どのように勉強してきたの?」と聞かれることも多いのですが、当時は効率や結果を考えることもなく、できることをやりたいようにやっただけです。(「森井じゅん 極貧の子ども時代に私を支えたもの」と「森井じゅん 希望捨てなくていい社会になってほしい」参照)

 もちろん学習塾なんて通ったこともないし、妹たちの世話もあったので中学校自体、半分くらいしか出席できていませんでした。基本的に学校の教科書以外の教材もなかった。その中でできることをするしかなかったんですよね。高校受験のときは、推薦で一足早く受験勉強から解放されたクラスメートの女の子から、運よく「記憶術」というカセットテープのセットをもらったんです。外部教材に触れて本当にうれしくて、興奮したのを覚えています。教科書を何度もひたすら読んだり書いたりして、繰り返し記憶術のカセットテープを聞く。これが勉強のすべてでした

 仕事と家事と妹たちの世話の合間に、隠れて自分だけのための勉強をしていたから、逆に集中できたのかもしれません。

授業の速さに挫折しそうになったことも

 大検を受けたり大学受験をしたりした時期は、母親に離別宣言をして、自由を勝ち取っていたので、「これでやっと勉強ができる」という喜びと後ろめたい気持ちのなか、勉強に没頭することができました。でも、公認会計士の受験は心から大変だと思いました。

 シングルマザーとして娘を育てながら仕事もしていたことを抜きにしても、私にとってはかなりハードルが高くて、最初の簿記3級コースの時点で、その授業の速さに挫折しそうになりました。同じ専門学校のクラスメートの中には、東大卒で「財務省に勤めていたけどやめてきた」というようなエリートもいたりして、「私ったら何ていう人生のミスをしたんだ!! 本気になったからといってできるレベルじゃないぞ」と後悔しましたね。

 会計士のコースは実際厳しくて、最初に大金を支払っているにもかかわらず、どんどん生徒がやめていくんですよ。最初は100人くらい受講生がいたのに、その中で一緒に公認会計士の最初の試験を受けたのは、ほんの数人。私が知っていたのはその東大卒の男性だけでした。

 でも、諦めるという選択肢はなかったので、できることを最大限続けました。そして自分なりの勉強方法が分かってきたころには会計士試験に合格していました。

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  • 森井式勉強術 2つのポイント
  • 娘が「中学受験やめたい」と言い出して…
  • わが家の塾の費用は、会計上「サンクコスト」にあたる

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