肩パッド入りの赤いスーツにソバージュヘア、大きな携帯電話を肩から提げて「しもしも~?」。そんな「バブル女」の芸風で人気になった平野ノラさんは、38歳で結婚し、42歳で女の子を出産。自身の芸風に合わせて、娘を「バブ子」と呼んでいます。41歳から始めた妊活では、体質改善などに集中的に取り組んだほか、「夫婦の意識を統一すること」を重視したそう。ママになるまでの道のりを、赤裸々に語ってもらいました。

今が最後のタイミングじゃないのか

 この3月、ぶっとびレベルの痛さを乗り越え、42歳にして初めての出産を経験しました。実は、「子どもがほしい、つくろう!」と思ったのは、昨年の春、コロナ禍ですべての仕事がストップしたことがきっかけです。

 芸人になったのが31歳と遅かった私は、結婚や出産は一生しないかもしれない、とずっと思っていました。夫とは、私が芸人になりたての頃から付き合っていたんですが、「芸人として生計が立てられるようになるまで待って」と何年も待たせていたんですね。で、ようやく結婚したのが2017年、38歳のときでした。

 子どもについても同じで、仕事に夢中だった私には子どもについて考える余裕がなく、夫も「好きなことを好きなだけやったらいいよ」というスタンスだった。だから、この先の人生このまま2人なのかな、こんなふうに仕事を続けながら、夫婦2人で仲良く暮らしていくのならそれもいいね、と、そんな感じでした。

 ところが、昨年の春、コロナの影響で一時的に仕事が全くなくなってしまいました。エンタメ業界全体が休むしかない状態だったので、この世界に入って初めて、心も体もゆっくり休めることができました。

 そしたら、余裕が生まれたからでしょうか。何となくいろいろなことに思いを巡らすようになって。気づいたらこれから先々のことを考えていました。

妊活を振り返る平野ノラさん。取材はオンラインで行った
妊活を振り返る平野ノラさん。取材はオンラインで行った

 それで、私は「自分会議」って呼んでいるんですが、思ったことを紙に書き出しながら、本当に自分がどうしたいのか、自分に向き合いながら考えてみたのです

 今41歳か、子どものことはどうしよう。別にほしくないわけじゃない。でも、つくるならもうリミットまでのカウントダウンは始まってるな――。このまま何もせずに時がたってしまったら、45歳くらいになったときに、「なんでトライしてみなかったんだろう」と後悔しそうな気がしました。今が最後のタイミングじゃないのか。