自動販売機やコンビニなど手に入りやすい場所で売られている、エナジードリンク。いつの間にか、子どもが塾帰りや疲れたときに飲む本数が増えているということはないでしょうか。子どもがエナジードリンクを過剰摂取することのリスクついて、国立国際医療研究センター国府台(こうのだい)病院児童精神科診療科長、子どものこころ総合診療センター長の宇佐美政英さんに聞きました。

カラフルでおしゃれなボトルが目を引くエナジードリンク

 カラフルでおしゃれなボトルのエナジードリンク。それらを販売する飲料会社は、スノーボードやモータースポーツ、eスポーツのスポンサーとしても知られています。CMなどで子どもたちの目に触れやすいため、その興味を引く機会が増えています。自動販売機やコンビニなどでも買えることから、塾帰りなど疲れが蓄積しているときや、眠気を覚ましたいときに飲んでいる子もいるようです。

 日本体育大学教授の野井真吾さんらの調査「10〜18歳の子どもにおけるエナジードリンクの摂取実態と摂取者の身体症状・生活状況の特徴」によると、10〜18歳の子ども5984人のうち、エナジードリンクを飲んだことのある子どもの割合は男子が小学生45.5%、中学生58.0%、高校生67.6%、女子は小学生27.9%,中学生32.8%,高校生45.4%となりました。

 「私が診察している中では、眠気を覚ますために飲む、夜中にゲームをしながら飲む、という子が多い印象です。また、いつの間にか飲む本数が増えていることも心配です」と、国立国際医療研究センター国府台病院児童精神科診療科長、子どものこころ総合診療センター長の宇佐美政英さんは言います。

 こうしたエナジードリンクは滋養強壮などの効果がある「栄養ドリンク」ではなく、「清涼飲料水」に分類されますが、子どもが飲んでも問題ないのでしょうか。

 「現在、エナジードリンクについて法律上の明確な定義、購入のための年齢制限、飲用量の目安などはありません。しかし、一般的なエナジードリンクは強炭酸、多量の糖分、カフェインが含まれており、過剰摂取は子どもの心身に影響を及ぼす可能性があります。エナジードリンクには1本で500ml近い大容量のものもあり、飲み過ぎには注意が必要です」