自身の可能性と向き合い、戦略的な努力を積み重ねて、恋愛から税理士資格取得、起業まで成し遂げた田村麻美さん。昨年、「ブス」という自分のコンプレックスとマーケティング戦略を掛け合わせた著書を出版し、話題になりました。幼い女の子の母でありながら、大学院入学を果たし、MBAも取得しました。「東京都足立区でいちばん気さくな税理士」というユーモアあふれるキャッチフレーズを展開させつつ、貪欲なまでに欲しいものを手にする田村さんの人生戦略とはどのようなものなのでしょう。今回はキャリアアップを図るために挑戦したMBA取得への道のりについて語っていただきました。

容姿がコンプレックスになった小学生時代

 皆さん初めまして。税理士の田村麻美です。保育園年中組の長女と夫の3人で暮らしているワーママでもあります。

 幼児期の私は親からは「かわいい、かわいい」と言われて育てられ、自己肯定感100%の少女でした。客観的な事実に気付いたのは小学1年生の時です。黄色の通学帽子が入らなかったのです。人より頭と顔が大きいことに気付いたのをきっかけに、同級生の男の子からも「お前、鼻低いな」と言われたりして、自分の容姿的なコンプレックスに目が行くようになりました。

10代になると自然とマーケティング理論を人生に取り入れていた

 でも、今振り返って、当時の私を褒めてあげたいのが、幼いながらも冷静に自分の「見た目」と「能力」を他者と比較し、検証をしていたことです。もしも「ありのままでいいじゃない」という考え方だったら、今の私はなかったと思います。就活にしても恋愛にしても独りよがりではうまくいきません。相手に選んでもらわないと成立しません。自分を商品と考え、勝負する市場を選び、自分や友達、ライバル、恋愛対象者を分析することで、どうしたら、選んでもらえるか。最高のゴールに到達できるかを考えていました。

 これって、マーケティングですよね。マーケティングのマの字も知らない中学生時代から、受験、恋愛、就職、結婚、起業という人生の局面ではいつも、このマーケティング理論をもとにした戦略のもとに行動してきました。失敗したことも多々あります。しかし行動無くして、成功はありませんでした。夢が叶うこともなかったと思います。

 この連載では、私の戦略的人生の一端をお伝えしていくことで、共働きの皆さんのモヤモヤが吹き飛び、一歩踏み出そうかなと思うきっかけになればと思います。