親との二世帯同居。「興味はあるけれど、うまく行くか自信がない」「夫の親と住むなんて窮屈そう」と思っている人が多いのではないでしょうか。そこで、実際に二世帯同居をしている共働きママ9人に集まってもらい、座談会を実施しました。今回は下編をリポートします。ファシリテーターは積水ハウス住生活研究所の所長・河崎由美子さんです。

※出席者の名前は仮名です。
※文中に出てくる同居スタイルは次の3つに分類しています。
・完全共用型:個室以外は共用
・部分共用型:玄関、キッチン、浴室、リビングなどいずれかを共用
・完全分離型:玄関も別々とし、生活ゾーンを世帯で分離

河崎由美子さん 積水ハウス株式会社住生活研究所長(2018年8月1日より現職)。1987年積水ハウス入社。商品開発部、ハートフル生活研究所、生涯住宅研究所などを経て現職へ。暮らしについて研究を続けてきた、住生活提案のプロフェッショナル。一級建築士。キッズデザイン協議会理事。長男のアメリカ大学進学に伴い卒母 
河崎由美子さん 積水ハウス株式会社住生活研究所長(2018年8月1日より現職)。1987年積水ハウス入社。商品開発部、ハートフル生活研究所、生涯住宅研究所などを経て現職へ。暮らしについて研究を続けてきた、住生活提案のプロフェッショナル。一級建築士。キッズデザイン協議会理事。長男のアメリカ大学進学に伴い卒母 
●夫の親と同居グループ

菊池さん(派遣社員・36歳):同居スタイルは完全共用型。夫が母と同居していたので、結婚当初から同居。長男出産後に注文住宅を建ててからも一緒に住んでいる。子世帯は夫(48歳)、長男(小2)、次男(年中)との4人。親世帯は義母(76歳)。二世帯というよりも1つの家族として暮らしていて、ほぼ毎食一緒に食事をとる。

早川さん(正社員・35歳):同居スタイルは完全分離型。1階が親世帯、2階が子世帯。子世帯は夫(35歳)、長女(小4)との3人。親世帯は義母(63歳)。1人でマンション暮らしをしていた義母に、家探しをしていた子世帯から同居を持ちかけた。中古物件を購入し、リフォームして住んでいる。二世帯で一緒に食事をとるのは週に2~3回。

長谷川さん(パート・49歳):同居スタイルは部分共用型。玄関だけが共用。1階が親世帯、2階が子世帯。もともと親世帯が2世帯住宅に住んでおり、親から同居を持ちかけられた。子世帯は夫(54歳)、長女(小5)との3人。親世帯は義母(87歳)、義父(86歳)の2人。二世帯で一緒に食事をとるのはイベント時(誕生日、ひな祭り、お正月、父の日母の日など)。

小倉さん(正社員・41歳):同居スタイルは完全共用型。住まいは3階建てで、1階は洗面所、お風呂、親世帯の個室、2階はLDK、3階は子世帯の個室。親の住まいの売却、子世帯の住まい探しが重なり、子世帯から同居を持ち掛けた。子世帯は夫(39歳)、長男(年中)、長女(2歳)との4人。親世帯は義母(68歳)、義父(69歳)で、2人とも働いている。毎日1食は二世帯で食事を共にする。

鈴木さん(パート・31歳):同居スタイルは完全分離型。義父母が賃貸用に建てた家(居住用と賃貸用に別れた家)の賃貸部分が空いていたため、親から同居を持ちかけられた。子世帯は夫(33歳)、長女(4歳)、次女(1歳)との4人。親世帯は義母(69歳)、義父(72歳)。二世帯で一緒に食事をとるのは月に1回以下。

●妻の親と同居グループ

杉田さん(正社員・29歳):同居スタイルは完全共用型。子世帯の家探しを機に、実母から同居を提案された。新居が見つかるまでという条件付きだったが、同居してから1年が経過している。子世帯は夫(36歳)、長女(4歳)、次女(2歳)、長男(1歳)との5人。親世帯は実母(58歳)と妹(26歳)。二世帯で一緒に食事をとるのは月に1回以下。

大野さん(正社員・36歳):同居スタイルは部分共用型。玄関、お風呂は共用。1階が子世帯、2階が親世帯。同居に際しシャワールームを設置した。子どもが独立し家の半分が空き家だったため、親世帯が同居を提案。子世帯は夫(38歳)と長男(3歳)と長女(0歳)との4人。親世帯は実母(68歳)、実父(70歳)。二世帯で一緒に食事をとるのは週に1回。

竹中さん(公務員・49歳):同居スタイルは部分共用型。玄関は共用で、トイレ、洗面所は別。1階が親世帯、2階が子世帯。夫が転居を伴う転勤が多く、親の手を借りて暮らすため、子世帯から同居を提案。子世帯は夫(56歳)と長男(高3)、長女(中2)の4人。親世帯は実母(72歳)、実父(77歳)。二世帯で一緒に食事をとるのは週に2~3回。

加藤さん(正社員・36歳):同居スタイルは完全共用型。1階のLDKは共用。それぞれ個室は1階が子世帯、2階が親世帯。実母の実家で同居。共働きで実母の手を借りて暮らすために、第1子が生まれた後、子世帯から実家での同居を提案。実家のリフォームはしていない。子世帯は夫(37歳)と長男(小1)、長女(1歳)の4人。親世帯は実母(71歳)。毎日1食は二世帯で食事を共にする。夫は単身赴任で週末のみ帰宅する。