二世帯同居は7割以上が玄関、浴室を共用

河崎 設備の共用について聞いていきましょう。積水ハウスの調査では、玄関、浴室は7割以上が共用していることが分かりました。お風呂は気をつかう、使う時間が重なるなど、家族が多いと特に、不満につながりそうです。田代さんはお風呂も共用されていますが、家族で決めていることはありますか?

親世帯と子世帯で共用している空間・設備(二世帯同居家族調査/住生活研究所調べ、2019年、n=351)
親世帯と子世帯で共用している空間・設備(二世帯同居家族調査/住生活研究所調べ、2019年、n=351)

杉田 残り湯で洗濯をするので、洗濯する時は必ず、「もうお風呂入る人いない?」と母や妹に確認するようにしています。また、ルールではないのですが、母と妹が入っている時間帯は、夫はなるべく洗面所やお風呂場の近くを通らないようにしているようです。用事がある時は私に言ってきます。

加藤 お風呂に入る時間が、子世帯は8時ごろ、母は11時ごろと分かれているので、重なってしまうことはないです。でも、母がお風呂に入る時は、必ず夫に声を掛けています。夫も「今のうちにトイレに行っておくのでちょっと待ってください」などと声掛けをして、お互いにトラブルを避けるように気をつかっています。

大野 わが家も子どもと私は8時台にまとめて入ってしまい、親世帯はその後。夫はシャワーだけです。

河崎 小倉さんのお宅も、お子さんとママが帰宅してすぐにお風呂でその後に夕飯。親世帯は夕飯の後にお風呂なのですね。お子さんが小さいうちは、入浴の時間帯がバラバラですが、大きくなってくると、時間が重なることも出てくるかもしれません。そんなときに、大野さんのお宅のようなシャワー室があると便利だと思います。

シャワールームを設置した大野邸の間取り(一部)
シャワールームを設置した大野邸の間取り(一部)

河崎 長谷川さんは玄関だけが共用ですね。

長谷川 うちは、出掛ける前と帰宅したときは必ず親世帯に顔を見せて挨拶するというルールがあるんです。夫は、出勤前に必ず親世帯へ寄って、お茶を飲んでから出掛けます。玄関が1つだと、いつ出掛けたか、帰ってきたかというのが自然に分かるので、適度な距離感を保つのにちょうどいいですね。もし玄関が別々だと、会話も少なくなってしまう気がします。

小倉 うちは、夫の身長に合わせて、お風呂場を広くとってしまったんです。その分、同じ階にある親世帯側のスペースが狭くなってしまって、収納スペースが減ってしまい、申し訳ないと思っています。

長谷川 親の収納と言えば、うちは子世帯側に義父母のタンス部屋があるんです。もう着ない背広や古い着物がぎっしり入っているのですが、それを親世帯側に引き取ってくれないので、その分、子世帯側が窮屈なんですよ。義父母はまだ処分する気持ちもなく、スペースがもったいないので、整理をしたいのですが、親のものなので、勝手に触ることもできず。

加藤 分かります。うちも二部屋が物置になっています。40年住んでいるからモノが多すぎて、母がその祖母からもらった着物などもあるんですよね。母が弱ってきたら上下階を交代する予定なので、そのときに荷物が収まるか心配です。

早川 うちは、完全分離型なのですが、玄関は一緒でもよかったなと感じています。その分、シューズクロークを作るなど、収納を充実させればよかったですね。

河崎 「シューズクローク」は親世帯と共用でいいですか?

早川 そこは分けたいです。

河崎 持ち物はその人のアイデンティティの現れです。子ども達もこのスペースは自分のものだと分かれば、自分自身で管理するようになります。

 二世帯同居もそれと同じで、各世帯できちんと収納をしていくためにも、収納を分けることはとても大切。収納が共用だと、持ち物が混ざったり、無くなったりとトラブルの原因にも。過度に干渉しすぎることにもつながります。親世帯、子世帯それぞれで収納を分けることは、物の管理、家族の距離感、どちらにとっても大切です。また、玄関が別になっていると別宅気分になり、暮らしに合わせた距離感を作りやすくもなります。