残業の日に保育園のお迎えをしてもらったり、子どもが病気の時に看病してもらったりと、子育て中の共働きにとって、親は頼もしい助っ人です。しかし、親と一緒に住んでいる共働きは都市部では少数派。「興味はあるけれど、うまく行くか自信がない」「パートナーの親と住むなんて窮屈そう」と思っている人が多いのではないでしょうか。そこで、今回の座談会では、実際に二世帯同居をしている共働きママ9人に集まってもらい、二世帯同居を始めた経緯から、メリット、デメリット、暮らしぶりなどについて幅広く話してもらいました。その様子を上下編でリポートします。上編では同居のきっかけや、共用部分の使い方、二世帯同居のルール、親世帯と子世帯それぞれの不満、同居のメリットについて様々な意見が飛び出しました。

※出席者の名前は仮名です。
※文中に出てくる同居スタイルは次の3つに分類しています。
・完全共用型:個室以外は共用
・部分共用型:玄関、キッチン、浴室、リビングなどいずれかを共用
・完全分離型:玄関も別々とし、生活ゾーンを世帯で分離

 休日の午後、会場に集まったのは、首都圏で親世帯と同居をしている20代~40代の共働きママ達。夫の親と同居している人、妻(本人)の親と同居している人の2グループに分かれて着席し、座談会がスタートしました。

 ファシリテーターは、積水ハウス住生活研究所の所長・河崎由美子さんです。河崎さんは30年にわたり、様々な家族の暮らしと住まいの在り方について研究を続けています。

河崎由美子さん 積水ハウス株式会社住生活研究所長(2018年8月1日より現職)。1987年積水ハウス入社。商品開発部、ハートフル生活研究所、生涯住宅研究所などを経て現職へ。暮らしについて研究を続けてきた、住生活提案のプロフェッショナル。一級建築士。キッズデザイン協議会理事。長男のアメリカ大学進学に伴い卒母

 まずは座談会に参加した皆さんのご紹介。家族構成と同居のスタイル、同居するきっかけについてそれぞれが話していきます。

●夫の親と同居グループ

菊池さん(派遣社員・36歳):同居スタイルは完全共用型。夫が母と同居していたので、結婚当初から同居。長男出産後に注文住宅を建ててからも一緒に住んでいる。子世帯は夫(48歳)、長男(小2)、次男(年中)との4人。親世帯は義母(76歳)。二世帯というよりも1つの家族として暮らしていて、ほぼ毎食一緒に食事をとる。

早川さん(正社員・35歳):同居スタイルは完全分離型。1階が親世帯、2階が子世帯。子世帯は夫(35歳)、長女(小4)との3人。親世帯は義母(63歳)。1人でマンション暮らしをしていた義母に、家探しをしていた子世帯から同居を持ちかけた。中古物件を購入し、リフォームして住んでいる。二世帯で一緒に食事をとるのは週に2~3回。

長谷川さん(パート・49歳):同居スタイルは部分共用型。玄関だけが共用。1階が親世帯、2階が子世帯。もともと親世帯が2世帯住宅に住んでおり、親から同居を持ちかけられた。子世帯は夫(54歳)、長女(小5)との3人。親世帯は義母(87歳)、義父(86歳)の2人。二世帯で一緒に食事をとるのはイベント時(誕生日、ひな祭り、お正月、父の日母の日など)。

小倉さん(正社員・41歳):同居スタイルは完全共用型。住まいは3階建てで、1階は洗面所、お風呂、親世帯の個室、2階はLDK、3階は子世帯の個室。親の住まいの売却、子世帯の住まい探しが重なり、子世帯から同居を持ち掛けた。子世帯は夫(39歳)、長男(年中)、長女(2歳)との4人。親世帯は義母(68歳)、義父(69歳)で、2人とも働いている。毎日1食は二世帯で食事を共にする。

鈴木さん(パート・31歳):同居スタイルは完全分離型。義父母が賃貸用に建てた家(居住用と賃貸用に別れた家)の賃貸部分が空いていたため、親から同居を持ちかけられた。子世帯は夫(33歳)、長女(4歳)、次女(1歳)との4人。親世帯は義母(69歳)、義父(72歳)。二世帯で一緒に食事をとるのは月に1回以下。

●妻の親と同居グループ

杉田さん(正社員・29歳):同居スタイルは完全共用型。子世帯の家探しを機に、実母から同居を提案された。新居が見つかるまでという条件付きだったが、同居してから1年が経過している。子世帯は夫(36歳)、長女(4歳)、次女(2歳)、長男(1歳)との5人。親世帯は実母(58歳)と妹(26歳)。二世帯で一緒に食事をとるのは月に1回以下。

大野さん(正社員・36歳):同居スタイルは部分共用型。玄関、お風呂は共用。1階が子世帯、2階が親世帯。同居に際しシャワールームを設置した。子どもが独立し家の半分が空き家だったため、親世帯が同居を提案。子世帯は夫(38歳)と長男(3歳)と長女(0歳)との4人。親世帯は実母(68歳)、実父(70歳)。二世帯で一緒に食事をとるのは週に1回。

竹中さん(公務員・49歳):同居スタイルは部分共用型。玄関は共用で、トイレ、洗面所は別。1階が親世帯、2階が子世帯。夫が転居を伴う転勤が多く、親の手を借りて暮らすため、子世帯から同居を提案。子世帯は夫(56歳)と長男(高3)、長女(中2)の4人。親世帯は実母(72歳)、実父(77歳)。二世帯で一緒に食事をとるのは週に2~3回。

加藤さん(正社員・36歳):同居スタイルは完全共用型。1階のLDKは共用。それぞれ個室は1階が子世帯、2階が親世帯。実母の実家で同居。共働きで実母の手を借りて暮らすために、第1子が生まれた後、子世帯から実家での同居を提案。実家のリフォームはしていない。子世帯は夫(37歳)と長男(小1)、長女(1歳)の4人。親世帯は実母(71歳)。毎日1食は二世帯で食事を共にする。夫は単身赴任で週末のみ帰宅する。