ウィズコロナの暮らしとともに一気に広まったリモートワーク。子育て中の親にとっては、利点の多い働き方ですが、導入から日が浅く、戸惑うことも多いのではないでしょうか。そこで、本連載では、ソフトウエア開発のシックス・アパートで広報を担当し、自身もノウハウを発信している壽かおりさんが乗り切り方を紹介していきます。

 こんにちは。シックス・アパートの壽かおりです。私のいる会社は2016年夏からリモートワークがメインとなりました。週数回のオンライン会議ももう4年目。夏休みなどで娘が家にいるときのオンライン会議も日常となっています。

 そこで、2回にわたって、オンライン会議の快適な進め方についてお話ししていきます。今回は、私たちが会議相手によって使い分けている、オンラインでの顔出しあり・なしについてと、子どもがいるときのオンライン会議についてです。

社内の会議は、顔出しなし&ずっと画面共有でいい

 シックス・アパートでは、チームごとに毎週のオンライン定例会議を行っています。この定例会議では、それぞれが自分の担当領域について、先週の進捗、課題と相談、今週以降の予定について共有しています。参加者は全員、会議前に共有ドキュメントに報告と相談事項を記入。会議中は、会議のホストがドキュメントを画面共有し、参加者はドキュメントに記入されている順にそれぞれの報告を行います。会議での決定事項もその場で書き込むため、会議が終わったら、それがそのまま議事録になります。

 このオンライン会議、参加者の画面に表示されているのは画面共有された資料のみ。参加者は全員、「顔出し」はしません。自分が話す時や、誰かの発言に相づちを打ちたいとき、質問したいとき以外はミュートです。背景やメイク、服装にほとんど気を使う必要がなく、家族がいる家で会議に参加しても気が楽です。誰かが話している奥から、子どもの声やペットの鳴き声が聞こえることもあります。楽しいサプライズとして、子どもやペットの話に脱線することはたまにありますが、基本的には特に気になりません。

 全体の会議以外に、社内の誰かに相談があるときも、こまめにオンラインで打ち合わせを行っています。そのときも画面共有しつつ音声だけで行うので気軽です。

 オンライン会議は「顔出しはなし」と言うと、社外の人によく驚かれます。社内メンバーとのオンライン会議に限定した話ですが、リモートになった当初からずっと顔出しなしでした。話を聞いていることを示すために神妙な顔でうなずくなど、態度で表明することは必要とされません。その代わり、「なるほど」と言葉で反応したり、疑問があれば質問したり、意見を聞きたい場合は問いかけて返事をしてもらうなど、言葉で明確に伝えることを意識しています。

 表情や身ぶりと言った非言語的なコミュニケーションを軽視しているわけではありません。コロナ以前の頃の話ですが、毎週の定例会議のうち月初はオフィスに集まって行い、定例会議以外でもブレストなど顔を合わせて話したほうが早いときにはすぐに集まっていました。毎月1回社員全員が集まる、社員総会&懇親会も開催していました。月に数回は直接顔を合わせて話し交流を深める時間があるので、普段のオンライン定例会議は顔出しなしで行っていてもコミュニケーションの問題はなかったのです。

 コロナの影響で、リアルに会いにくくなったここ数カ月は、オンラインランチなどで交流の場を作るようになりました。このときは、顔出しありでフリートークし、コミュニケーションを深めています。お互いの表情や近況を確認できるので、会議は顔出しなしでも問題なく進行できています。