ウィズコロナの暮らしと共に一気に広まったリモートワーク。子育て中の親にとっては、利点の多い働き方ですが、導入から日が浅く、戸惑うことも多いのではないでしょうか。そこで、本連載ではリモートワークに詳しい壽かおりさんが、共働き家庭ならではのドタバタな乗り切り方を紹介していきます。第1回のテーマは「家に子どもと一緒にいる日の働き方の工夫」です。

フルリモートワーク歴4年。情報を発信しています

 初めまして。ウェブサイトやブログで発信する人のためのツールを開発する会社「シックス・アパート」の壽(ことぶき)かおりと申します。小6の娘を育てつつ、2016年夏からリモートワークで働いています。というのも、シックス・アパートは親会社からの独立を機にオフィスを縮小、必要なときだけ出社するスタイルに変わったからです。働く場所の制限もなく、自分が一番パフォーマンスを出せる場所で仕事をすることができます。ただし、機密事項を扱う場合は自宅で行うなどの配慮はしています。私も今は自宅だけですが、ここ数年は自宅以外にも、たまに自社オフィス、他社のオフィス、コワーキングスペース、カフェ、旅行先など、いろんな場所にノートパソコンを持ち込んで働いてきました。

 新型コロナウイルスの影響で、今年1月末に全社テレワークに踏み切ったGMOインターネットグループを皮切りに、多くの会社でも在宅勤務に切り替える事態になりました。2月に入ると、準備期間もなく在宅勤務になって混乱している方々からの相談が、個人にも会社にもたくさん寄せられるようになりました。そこで、私はリモートワークのノウハウを広く紹介すべく2月17日から、「#リモワノウハウ語るよ」 のハッシュタグを付けた連続ツイートを開始。50を超えるノウハウを発信してきました。

 自粛期間が明けても、働き方をリモートワーク中心に切り替える企業が増えています。そこでこの連載では、働く親の悩みを解決するヒントを紹介していきます。シックス・アパート社内の働く親の事例や、同じくテレワークを推進する東京近郊の40社が集う「TDMテレワーク」グループに所属する各社のスタッフから聞いた、エピソードも盛り込んでいきたいと思います。

家の人口密度が高くなる期間、どう過ごす?

 学校が休校になり、保育園が休園や登園自粛になった今年の春、働く親は仕事も育児も学習も家事も全部、家に閉じ込められた中で担うことになりました。「家で仕事なんて無理!」と痛感した人も多いのではないでしょうか。子どもだって、保育園や学校では先生や友達との関わりからいろんなことを学べたし、体を動かす時間も十分あった。けれど、家だとテレビや動画を見せる時間も増えてしまいます。その罪悪感……。小学生の親は生活リズムの乱れや学習の遅れも気になったと思います。

 今は夏休み。サマーキャンプなどのリアルな催しは多くが中止になり、遠出の旅行も難しい状況です。子どもを高齢の祖父母宅に預けるのも今年はためらわれますね。

 親が働いている場合、小学生には学童クラブがありますが、高学年になると卒所する子がいます。低学年でもさまざまな理由から行っていない子もいるでしょう。そんな小学生と一緒のリモートワークはどうなるのか、わが家の夏休みの例をお話したいと思います。また、乳幼児と一緒の場合の働き方はどうなるのかについて、3家族の自粛期間中の過ごし方を紹介します。この夏の参考になさってください。